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けもケ備忘録 3日目 当日編

この記事の続きとなります。

こんばんは、てつです。今回はけもケ備忘録パート3となる当日編です。それではお楽しみください。

⚠️着ぐるみエリアでの記憶が欠損しているため、1部補完しています。ご了承ください。
また、着ぐるみに対する感想で読者が不快と思われる表現が含まれている可能性があります。ご注意ください。


3日目 「開催前のあれこれ」

当日の朝。訳あって早めに開催地の最寄り駅に着いたものの、会場に近づく訳には行かず周りの施設を見学しました。ぴったり10時に駅に戻ってくると、流通センターから駅までの道は人で埋め尽くされています。とんでもない人だかりです。少しばかりけもケを舐めていましたが、認識を改めなければなりません。わたがしくんはカタログを家に忘れるたまポンになっていたので一旦お別れです。着ぐるみエリア解放の13:00にもう一度集まる予定で解散しました。ここからは1人の戦いです。

僕は1人になって改めて人数の多さに驚いていました。ただの行列ではなく、多種多様とはいえ同じケモノ文化を愛する人しかこの場にはいない。そう考えると、隣の人に「今日はどのサークルさんのところに行かれる予定なんですか?」と聞きたくなります。僕の知らないケモノの世界に触れてみたいという欲が湧き上がりますね。臆病なので無理でしたが。
もしかしたらプロダクション体育館ファンの方居ないかな、と思いラバーバンドを付けている方を探してみたのですが、残念ながら待機中に見つけることは出来ませんでした。いつの日か全員がラバーバンドを付けているイベントがあるといいですね。(2024/1/20体育館の日2開催決定!みんなお気に入りのラバーバンドを付けて推しを応援しちゃおう!)
待機列はゆっくりと進み、ある大広間に全員が集められていました。時刻を確認すると11:00程になっており、開催は12:00~なのでまだ1時間程待機のようです。待っている間にもどんどんと人がなだれ込み、広さ50mはあろうかという大広間は一瞬で埋まってしまいました。
有り余る時間を使って、僕は再度サークルを回る順番とサークル毎の購入金額の計算や差し入れを渡す流れを復習し、イメージトレーニングを重ねて精神を統一します。今回お買い求めになるサークルさんは7つほどあり、全ての本や値段を覚えるのは大変なのでカタログにメモしていました。サークルによっては欲しいグッズが少数部ということもあるので、会場を回る優先順位をつけます。一通り確認を終えたら、あとは早い順番になるのを祈るだけです。

11:45頃になると長い待機時間が終わりを告げ、抽選発表が始まります。列ごとに番号が割り振られて抽選となるようです。僕は自分が何列目なのか分かりませんでしたが、Twitterでも自分が何番か分からないという人が多く、何番がコールされたら喜べばいいのか分からないまま最初に選ばれたのは3列目。会場の3列目と思われる人達がワァッ!と湧き上がり、会場から拍手が送られます。民度が良くて嬉しいですね。その後も番号が呼ばれていて、会場の熱気が上がっていきます。時を同じく、わたがしくんも待機列の後半に並べており、2人してわからんわからんと唸ってきた時、列番号8がコールされると、「よっしゃ!」と前のが小さくガッツポーズをしたのでとても分かりやすかったです。ありがとう前の人。
入場が早そうだとわたがしくんに伝えると、最悪体育館グッズが売り切れるかもしれないからあぶくくんのアクスタだけは確保して欲しいと頼まれました。同じ体育館ファンとしてここはわたがしくんの想いを受け継ぎます。

3日目 「けもケット13-サークルエリア-」

遂にこの時がやって来ました。今日までの旅行も全ては前座、とは言いませんが、ここが旅のピークとなりるため、気合を入れて入場します。入口にはスタッフが立っており、カタログを見える位置に掲げながら通過することでスムーズな入場検査を行っていました。素早い検査を行えるメリットがありますが、不正の見極めも難しいです。そこは界隈の民度を信じましょう。
さあ、まずは大本命 プロダクション体育館のグッズを最優先で確保しに向かいます。プロ体は入ってすぐの右手にスペースを構えていて、列は5~6人ほど並んでいます。大した人数では無いはずですが、僕は知っています。体育館グッズの直売は種類が多い上に、僕を含め熱狂的なファンがその多種類なグッズをお買い求めになるため、一人一人の会計にものすごく時間がかかることを。僕が並んでからも着々と人は増え始め、ふと後ろを振り返ると待機列は20人程に増えていました。列が通路を塞いでしまうため、スタッフの指示で通路で列が分断されるほどの自体になっていました。驚きの反面、ちょっと誇らしいですね。
そして、スペースが近くなると絶対に聞こえてくる音がありますよね。

???「はい、これと…それと…あっこっちもですね。はいはい、フライヤーも!ありがとうございます!」(補完記憶)

???「はーい、はい、これと、これ、はい、お会計が○○円になります!」

「(あぁ〜っっ!!!マグ…マグ…マグくんの音っっっっ……!!ぽてゃもお会計してるヨッ!!!!カワイイカワイイネ…!!)」 

マグくんとポラリスくん(葛ノ木先生)の忙しそうな生声です!!ここまで丁寧な文章を心がけて来ましたが、全てはここで発散して帳尻を合わせるため!
僕は目を閉じて2人の生声を体内で循環させ、新鮮な空気と共に生命のサイクルを実感します。うわ〜、隣から天使が語りかけて来てるよ。ふふ。気持ちがいいね。僕が目を閉じている理由は体育館の日レポでも語っていますが、MGR様本人の解像度が上がってしまうと、キャラを見た際にちらついてしまうのを危惧しているからです。願わくばキャラを見たいところですが、僕は声も愛せるので事なきを得ました。列に並んでいる間にこんな激アツゾーンがあるなんて、思わぬ収穫です。それにしてもレジを回すぽてゃとマグっぺ、ですか。したためれますね。ぽてゃに関しては今回カフェグッズが出ていますが、僕の脳内ではブックオフやTSUTAYAなどで働く2匹か脳裏に浮かびますよ。プリキュアのDVDをレンタルしに来たお客さんに目を輝かせ力説するぽちゃ…晴れ渡る笑顔で見るもの全てを魅了するまぐまぐ…「こちらもどうですか?僕も見たんですけど、とっても面白かったですよ!」なんてレジ横の新作を勧められてごらんなさい。安く済ませるためにレンタルビデオを借りに来ているのに出費がかさんでしまうじゃないですか!(歓喜)(あえて小刻みに借りて毎週通います)
おっと、僕の番が来たようです。どっちかな。僕の会計はどっちの大当たりなのかな。「こちらにどうぞ〜」
うっひょう!葛ノ木先生でした。大当たりです。目を合わせるとかは物理的に不可能になっているので、できるだけお品書きやグッズを見ながら注文していきます。事前に買う物の金額はジャストで用意したはずですが、わたがしくんの欲しがっていたあぶくくんのアクスタを追加して、リオンくんのアクリルジオラマは諸事情で購入出来なくなってしまい計算が狂ってしまいました。冷静に考えればあぶくくんアクスタが1,500円でアクリルジオラマが2,000円なので、単純に用意した値段-500円で良かったのですが、初けもケットで緊張したということと、ブースを回る順番や、同人誌の記憶や、グッズを素早く回収する手順や、差し入れを渡す事、小銭の収納場所などの小さな積み重ねでキャパが限界となっており、結局会計はもたついてしまいました。申し訳ない〜と思いながら必死にグッズを受け取り、差し入れを渡します。 

僕「すいません、差し入れの受け取りとかってやってますか?」

葛ノ木先生「あ〜、すいません。今ちょっと列できちゃってるので、また空いてるときでも大丈夫ですか?」

アホ「あっ、分かりました!すみません、ありがとうございます!」

またやってるよこの人

みたみた、僕似たような光景を体育館の日でも見たよ。学びを得ない男、処してくだい。(後日談ですが、体育館のけもケット前配信の、意識してくれると嬉しいよ注意事項で差し入れについての話があったため、空き時間にちゃんと聞いていれば回避出来ました。悔しい)早速予定が狂い始めましたが、止まってる暇はありません。一旦差し入れは全て後回しにして、サークルを回ることを優先します。決めていた順番通りにサークルを回って購入を進めていくんですが、とにかく人だかりが多く、落ち着いて次の行動を決めることすらままなりません。半ば人の流れに身を任せて移動を繰り返します。体育館メンバーのMGR様が参加しているサークルはほぼ網羅していたのでお声を堪能させて頂きたく存じていましたが、人の流れが多く素早く会計を終わらせなければならないという焦りで全く堪能できません。
また、けもケットの仕組みをよく分かっていなかったので、差し入れを後回しにしたら、全売り切れのサークルさんが早めに撤収してしまい差し入れを渡せないのではないかという焦りもあります。そんな中、1部のサークルさんは運良く誰も並んでいない時に購入出来るタイミングがあり、チャンスを逃したくない僕は、渡せるサークルさんには差し入れを渡すというスタンスに切り替えてしまいました。それによって、差し入れを渡せた所と渡せていない所の把握をしなければならないというタスクカーニバルが開催されてしまいます。もう楽しむ所ではありません。カタログに追記を繰り返し、人に推し流れ、MGR様と目が合って消滅しかけたりと、とにかく怒涛の開幕でした。
あっという間に集合時間となり、一旦僕とわたがしくんは合流します。集合タイミングは着ぐるみエリア解放の時間に合わせてあるので、お互いの近況報告をした後にすぐ着ぐるみエリアに迎えるシステムとなっております。便利。
どうやらわたがしくんはかなり終盤に入場したようで、列待機中に近くの人が「呪われた列だ」と言っているのを耳にしたそうです。恐ろしすぎる。
体育館グッズはかなり売り切れていたそうで、3期生アクスタとラバーバンドは手に入れられたそうですが、カフェグッズは無理だったそうです。それもそのはず、体育館グッズは43分で完売したようです。怒涛のスピード。体育館の人気と人の多さを舐めていました。でもそれは裏を返せば体育館ファンが沢山会場にいたということになりますよね。ラババンをつけてくれませんか?
さて、開場から今までバタバタしすぎて僕は缶バッジガチャを開封出来ていません。体育館は様々な缶バッジシリーズを販売しているのですが、会場での販売分はガチャ方式を取っています。後々通販でコンプリートセットを購入できるようになるのですが、僕が確認した頃には売り切れてしまっていたため、自力でコンプリートしなければなりません。僕は本気でコンプリートしたいなら割高でも通販にした方が良かったのでは、という雑念を振り払い、開封タイムに臨みます。1度の会計で6個まで買えて種類も6種類です。世界は残酷です。
1個目…あぶくちゃ!
2個目…ポちゃん!
3個目…あぶく…ちゃ〜…
4個目…リオンくん!
5個目…ゆぴぴ!
6個目…こだ!
ということであぶくくん被りのこだぎーくん漏れでした。これは中々の豪運だと思っていたのですが、よくよく思い返しみると、狙ってコンプリートできたのではないかと気づきました。というのも、缶バッジガチャは細長い箱に入っているものから自分で選べるのですが、ほぼ固まりで取ったような記憶があるんです。全てではなかったと思うので、一つだけ違う場所から取ってしまったのだと思います。つまり、缶バッジガチャの中身は完全ランダムではなく、全員が規則正しく1匹ずつ入っているのではないか、と推測しました。もしそれが正しいのであれば、どこから取ってもそこから連続して購入すれば必ずコンプリート出来る、ということになります。僕がただただ激運だった可能性もありますが、もしそうなら狙ってコンプリートできるように、わざわざ中身を綺麗に入れ替えてくれているということになります。体育館はどこを取っても細かい遊び心がありますよね。大好きです。
ちなみにその後、たまたまエンカウントした消化くんがあぶくちゃを持っておらず、こだぎーくんを被らせていたので交換してコンプリートしました。出会いに感謝。

3日目 「けもケット13-着ぐるみエリア-」

開場から一定時間経つと着ぐるみエリアが解放され、グリーティングを行えるようになります。実は着ぐるみエリアは最初の待機列が集められた部屋となっており、とても広く、何も無いのでグリーティングするにはもってこいの場所でした。まだキャラが誰もいない状態で、一般参加者は更衣室から出てくるであろうケモノを待ち構えています。その様子はさながらパパラッチ、熱意がものすごいです。そのまま待機していたのですが、たまたま一緒にいた消化くんが、今ならサークルの方は人少ないだろうからサイン貰いに行けるかも、と言い出します。
実は、僕もまだこの段階で差し入れを渡せていないサークルがいくつか残っており、ずっと気がかりではありました。消化君の話で僕も一旦戻ることにして、残ることにしたわたがしくんにさよならです。
その後、全ての差し入れを私終えた僕が安心しきって着ぐるみエリアに戻ってくると、僕に気づいたわたがしくんが慌ててこちらにやってきます。
わたがしくん「アルセロくん来てるよ!」
その言葉を最後まで聞くが早いか、僕はわたがしくんの指さす方向に全力で早歩き。走ると迷惑になっちゃうからね。着ぐるみエリアは人の密林でキャラを探すのにも一苦労ですが、一際大きい茶色い耳が隠れれてないんですねこれが!
人だかりの中心には立っていましたよ「アイドル」が。その巨体がひとたびポーズをとれば大歓声が巻き起こり、僕を含めて皆がカメラのシャッターを切ります。アルセロくん…何かを元気よくお話していたような気がしますが、尊いので何も覚えていません。ただ皆が彼の一挙手一投足に骨抜きにされているであろうことは間違いありません。
でっかいね
おしりとおなかが
でっかいね
てつ、魂の俳句。心の叫びとしては100点ですが、俳句としての完成度は0点です。ふふ、でも残念でした。体育館の日で僕は超絶ブラックホールとなり、体育館要素を全て吸引し抗体を生成しているので、動悸を起こさずにツーショットをお願いできます。民度が良いのでツーショットをとりたいファンが手を挙げて、アルセロくんが指名していきます。僕の番が近づくにつれて逃げ出したくなってきました。でもわたがしくんが見ている前で無様な姿は見せられません。大丈夫、僕は落ち着いている。クールに行こう。

なんだその左足は


ダサ…えっ?ダサい…どうしよう。ダサすぎる。僕足上げてました?記憶ないんですけど。まあでも、圧倒的アイドルの前では仮面など無きに等しいものです。開き直りましょう。彼らの前ではどんなに隠そうとしても本性をむき出しにされてしまいます。でっかいよ…いい匂いがするよ…ハグが長いよバグっちゃうこれ以上は僕バグっちゃう。サービス精神旺盛な鹿さんはハイタッチもしてくれます。気前が良い!1回いくら!?えっ無料!?世界が平和になっちゃうよ…。肉球が無いというのもそれはそれで可愛いですよね。
一生アルセロくんを観測していたい気持ちを抑え、新たなる宝石を探しに大海原へ旅立ちます。またね、アルセロくん!大好きだよ!!

さて、その後もキャラ愛を開拓すべく、初めての子を何匹かグリーティングしていると、視界の端に溢れんばかりのイケメン光が映りこみます。見逃さん!バッ!「ッッッッッポッピョ!!!」
はい、神様ありがとう。ジッポくんです。イケメンだぁ〜!!
っっちょっと待ってください、待ってくれよ。あの衣装は!?!?


ポージングクールイケメン

JMoFの時着てた衣装だ!ジッポくんの担当カラーであるオレンジのポロシャツにDJのようなブルーハット、そしてトレードマークの首輪です。飼いたい…いや嘘。どちらかと言うと飼われたいし、みんなのアイドルが自分だけのものになるのは解釈違いが酷すぎて寝込むレベルです。はぁ〜アルセロくんとは違ったアイドルですよねジッポくんは。アルセロくんは親近感があるというか親しみやすさ◎みたいなところがあります。ジッポくんはもちろん優しい性格というのは分かっていますから親近感はあるんですが、こう、なん言いますか……………崇めたい、ですかね。空気になってジッポくんの周りに浮かんでいたい。そんな付かず離れずの距離感でいたくなる…


訳あるかぁボケぇ!!!!!吸うんじゃ!!吸っとけ吸っとけ!!

ウワーッ!控えめなモフだ!触れ合うような繊細なモフ!包み込まれる…概念の愛に…。DJジッポくんいいですよね。会場のボルテージをMAXに持っていって、煌びやかな汗を流しながら最高の笑顔を観測できると思うと、踊っている場合ではなくなるかもしれませんよ。どうして会場に僕がいる前提なんでしょうね。肉球とレコードが触れ合ってリズムを刻んでいるその隙間に生まれる無限大のエネルギーを摂取しに行きましょう。
それはそうと僕はグリーティングでは腰が絶対に引けてしまう呪いにかかっているのかもしれませんね。上半身が全力でアイドルパワーを受け止めている反動でしょうか。いつの日かノンへっぴり腰になる日を願って。

そしてついにやってきてしまいました。わたがしくんの大本命です。彼はこの時のためにこの地に足を踏んでいます。一応その瞬間を収めるためにかなりの頻度で更衣室周辺を確認していたのですが、捕えることは出来ませんでした。僅かに遅れてそのご尊顔を拝見させていただきます。彼が現れた瞬間に巻き起こる歓声と激写。悠々とエリアに立ち入るその姿はまさにランウェイ上の花嫁。僕には彼の足元にレッドカーペットが見えますよ。通常衣装(UR)守護天使アメティスくんが会場入りを果たし、自分のスペースを探すため移動を始めると、更衣室入口付近でアメティスくんの登場を観測した親衛隊は、背後を守るように後に続きます。わたがしくんは言葉が出ておらずフリーズしていましたが、僕は既にビジョンが見えていました。すぐにグリーティング待機列に並ばなければ、長時間待たされるということを。いえ、もちろんそれは長時間アメティスくんを見ていられるという名誉なことなんですが、僅かに残っている可能性、リスクを排除したかった僕は無意識にアメティスくんに駆け寄ります。(早歩き)
わたがしくんは僕の後ろを着いてきてくれていると信じて。本当は手を引っ張ってあげたかったですが、まだグリ初心者の僕にその余裕はなかったみたいです。僕の脳裏には、あと少しというところでグリーティングを果たせなかったあの日の情景が過ります。わたがしくんにはそんな悲しい思いをして欲しくは無いです。アメティスくんは入口近くの壁際に拠点を構えると、透き通る声で我々に話しかけます。

アメティスくん「はーい、じゃあまずは一旦ひとりで写真とるよ。こっちからね!」

そう言って、アメティスくんを取り囲む親衛隊の端にポーズを向け、ちゃんと全員が正面でシャッターを切れるように順番に角度を変えていきます。アテンドなし、1匹で誘導までこなす…だと…!?こなれています。アイドルとしての自覚がある存在の尊さったらないですよね。


にゃんにゃん!?!?死んぢゃぅ…

一旦全方位にポーズを取ったアメティスくん。

アメティスくん「はい!おっけー?じゃあまだ後ろの人撮れてないかだろうから前後入れ替わろっか!」

気遣いの鬼…っっっ!!周りは見えていないはずなのに周りが見えている…っ!視野が広すぎます。このエリアを包み込むアメティスくんの視野。こんな丁寧な対応されて堕ちない人がいるのでしょうか。そうしてほぼ全員のスマホorカメラには、アメティスくんの神対応によって自分だけのベストショットが保存されました。

アメティスくん「よし、じゃあツーショット取りたい人はこっちに並んでいって!」

アメティスくんの指示で、彼の正面にスペースができるように円を描くような待機列を形成します。まさか距離をとった撮影を可能にするため、正面にスペースを…?一体何度僕達をときめかせれば気が済むのでしょうか。
グリーティング待機列に並ぶと、わたがしくんは胸を押えて黙り込んでしまっています。これから憧れの存在とグリーティングをするのですから、そうなるのも当然です。僕は今回のグリーティングイベントで気づいたことがあります。体育館の日も同じ状態になったのですが、グリーティングを最高効率で行うため、モフを最大限摂取するため、限界時には僕の感情とは関係なく体が動いてしまうようです。もし僕の限界の感情そのままに行動していたら、僕は体育館メンバーの前で静かに涙を流して動くことが出来ないでしょう。そうなってしまわないためにサブ動力的なもので動いていると思われます。ちょっと何言ってるか分からなくなってきたので先に進みます。
わたがしくんは僕の前に待機していたのですが、終始「先にやって」と呟いていました。しかし、なんとかわたがしくんを励まし、アメティスくんとの初グリーティングです。思い出しますね、体育館の日でのコーダくんとの初グリーティングを。暖かな笑顔で見守った僕もわたがしくんの後にグリーティングをさせていただきます。僕とわたがしくんは基本一緒に行動していたので、お互いがツーショットを撮る時にはカメラマンをしていたので今回もグリーティング後のわたがしくんにスマホを渡したのですが、震える手では撮影出来ないと言われてしまいました。わたがしくん、そこまで…。


後ろの方に撮ってもらいました。

僕の中では必死に考えたパーフェクトハートポーズだったのですが、ポーズを指示したはずの僕が歪な形になってしまいました。逆に即興でここまで可愛くも美しいポーズができるアメティスくん…すき。もう少し僕がまっすぐ立ってアメティスくんに寄り、右手を鋭角にできていれば…と反省点はいくらでも出てくるんですが、やはり体育館メンバーは触れるだけでも精神に大ダメージを与えてくるデンジャラスな存在です。密着はあまりにリスキー。そう考えると、絶対に腰が引けてしまうのも1種の生存本能か。
などと言っている場合ではありません。わたがしくんが限界化しています。一旦人気のない場所に連れていくとわたがしくんは泣き出してしまいました。ふふ、体育館の日のミニライブを思いだ…いえ、ここは静かに見守るのが男ってやつですよね。

しばらくして落ち着いたのもつかの間、突如として襲いかかる超新星爆発。な、何が起こった!?爆発の中心にいるのは…

パステリズム概念ッッッッッ
消失してしまう。いつの間にかアメティスくんがいた地点には彼が立っていました。体育館総選挙実質No.1、プリキュア好きで右に出るものはいない、美しいパステルグリーンの毛皮に身を包んだミントフォックス「ポラリス」くんです!!まっ、眩しすぎる!なんてこったい、パステアイドル概念に殺到する長蛇の列が僕たちの前に立ちはだかります。負けるな僕!負けるなわたがしくん!しかし、列に並んだ僕達はまたもや衝撃の事実を知ってしまうのです。

わたがしくん「今Twitter見てたんだけど、出口付近に…リオンくん、来てるって…」

は…………?え、リオ、なんで、だって更衣室付近は、アメティスくんグリーティングで、出てくる瞬間を見逃すはず…でも実際Twitterの画像は確かに着ぐるみエリアで…でもパステがっ…!待機列、リオン、パステ、グリ、アイドル…!!僕は…っ、俺はっ…!!

僕「ごめん、俺行かないと」

わたがしくん「えっ」

画像は着ぐるみエリアの出口付近、更衣室とは反対側です。僕は例えパステの列から抜けてしまうとしても、リオンくんを観測せずにこのイベントを終わらす訳には…体育館メンバーをこの目で見ずに終わる訳にはいかないんです。例えパステとのグリ後でリオンくんを見れる可能性があったとしても、目の前のチャンスを逃す訳には行かなかったのです。
結局わたがしくんは僕のエゴに付き合って着いてきてくれました。パステが大好きなはずなのに、ごめんっ …。
撮影現場と思わしき場所にやってくると、いました。小さくも光り輝くスーパースターが。空色に染まった美しい毛皮と、見るもの全てを虜にする美しい瞳を宿し、弾けんばかりの笑顔を持つ狐狼「リオン」くんです。
やった!まだグリーティングの…

リオンくん「ここまで全部待機列!?多いねぇ!んーと、じゃあここまで!ここで終わりね!!ごめんね!」

リオンくんの元にたどり着いた瞬間、目の前の待機列にリオンくんがシャッターをおろします。僕は、間に合いませんでした。あと数秒早くここに着いていれば。もっとTwitterをしっかりリサーチしていれば。更衣室付近をもっと固めていれば。後悔は後を経ちません。しかし、今更後悔しても仕方がありません。

わたがしくん「あ、間に合わなかったね…どうする?パステのところに戻ろうか。まだグリやってると思うし」

僕「いや…行ってていいよ」

わたがし「え、でも…」

僕「大丈夫だから」

わたがし「…わかった。じゃあ後で」

どうせグリーティング出来ないなら、パステとのグリ待機列に並んだ方が生産的ではあったかもしれません。それでも僕は何故かここを離れられませんでした。並べないなら、せめてこの目に焼き付けてやろうという確固たる意思があったのかもしれません。わたがしくんと決別した僕は、リオンくんを遠くから見守る壁際族に入門しました。
はあ、リオンくんの透き通る緑の瞳、美形なフォルム、大きく柔らかくて立体感のある耳、スラリとした腰に、それとは対象的なふっくらとした太もも、そこに繋がる曲線美に全体のアクセントとなるオレンジ模様。それが目の前で元気に揺らめいています。一生眺めていられます。
でも今思えば、僕はパステリズムの待機列に戻った方が良かったのかもしれません。その事件はわたがしくんと別れてからすぐに訪れました。リオンくんの待機列、その最後尾の後ろにまた一般参加者が並び始めたのです。リオンくんは気づいていないし、最後尾の人も気づいてないのか注意を促しません。僕の中で泥のような感情が浮かび上がると、その汚い物をかき消すように僕は思考します。
注意するべきか、でも勝手な行動はリオンくんの、運営の迷惑になる。誰も注意しない。そもそも本当にあそこで待機列は中断されていたのか、そうだとしたらなんで誰も注意しないのか?もしかして僕が聞き間違えてて、待機列は中断されてない?そうだとしたら僕の勘違いで、でも確かにリオンくんはここで終わりって…どうしよう、どうしよう。僕が行くしか、ない…?
半ばパニックになった僕は、それでもその行動がリオンくんのためになると信じて1歩を踏み出します。 

僕「すみません、ちょっといいですか?」

リオンくん「えっ?」

僕は最後尾に並んで列を止めるのではなく、リオンくんに直接確認をとることにしました。間違えていたならリオンくんの大事な時間を奪ってしまう大罪ですが、もし聞き間違いをしていて列が中断されていなかったとしたら、僕は意味不明な行動でリオンくんだけでなく、ファンの方にまで迷惑をかけてしまうことになります。僕が取るべき最善の択は、リオンくんに待機列が止まっていないことを伝えて指示を仰ぐこと。聞き間違えていたら首が飛ぶのは僕だけです。

僕「列がまだ止まってなくて、何も知らない人がどんどん並んじゃってます。確かもう止めてましたよね?」

リオンくん「ありゃ、そうなの?うん、スタッフさん呼ばなきゃ」

僕の博打は大成功です。やはり聞き間違いではなかった。その後近くのスタッフさんを呼んで最後尾に立ってもらい、事なきを得ました。
僕はこういうアクシデントが起きた時、体育館のためにできることは何でもしたい派の自分と、いちファン如きが出しゃばって余計なお世話をするべきじゃない派の自分がぶつかり合ってパニックになってしまいます。大抵は出しゃばってもいいことなんてありませんし、今回のこの選択が正しかったとは思いません。今回は結果的に上手く行きましたが、僕みたいな狂信者はこういう場面に出くわさないのが1番なことを知っています。
こうして結果的には順調にグリーティングは終了し、僕は更衣室に戻っていくリオンくんをねっとりとした気持ちの悪い視線で見送ったのでした。


ベストショット

複雑な感情でパステの待機列に戻ってくると、ちょうどわたがしくんはかなり先頭の方まで進んでいました。
並んでいない僕にグリの資格は無いので、わたがしくんがグリーティングを行うのを生暖かい目で見ていました。


えっなんで?

どうして僕はパステに挟まれているのでしょうか。写真があったから載せているものの、全く記憶にありません。僕はパステトグリをした…のか?嬉しいけど記憶ないから素直に喜べない。というかダサっ!!僕のポーズが全部ダサい…。せめて指さしくらいは合わせて欲しい。この窮屈な右手は恐らくパステから逃れるための拒否反応ですね。分かってきましたよ。体育館メンバーのダイレクトアタックから逃れるために、僕は体の一部を避雷針のような役割でいなしている、ということですね。それが腰だったり足だったりするわけで、今回は右手だった、そういうことです。
いや待て!よく見ると右手はアメティスくんに押さえられている!?羽交い締めだ…!腕1本で僕は生殺与奪の権を握られてしまったようです。安心して欲しい。僕は最初から体育館に人生を差し出しているよ。

3日目 「思わぬオフ」

そうしている間に時刻は16:00に差し掛かり、けもケット13終了のアナウンスが入ると皆が拍手で無事に終了した事を祝います。僕達は余韻に浸りつつ会場の入口近くに腰掛け、駅の人波が落ち着くのを待ちます。日が暮れてきて風が涼しくなった頃、とある人物が声を掛けてくれました。 

???「あ、てつさんお疲れ様です」

僕「とびさん!お疲れ様です!」

とびさんは「マグのうた」や「けものみち」など、プロダクション体育館のオリジナルソングを数多く提供している作曲家で、生粋の体育館ファンです。
実はけもケットの開催前から少し交流があり、お互いが初参加ということでどこかで挨拶が出来ればいいですね、とのやり取りをしていました。会場内ではとびさんから声を掛けてくださり、1度そこで挨拶をしているのでお会いするのは2度目です。

僕「いやぁ、終わりましたねけもケット。楽しかったですね!」

とびさん「いやほんとに!」

わたがしくん「僕楽しすぎて着ぐるみエリアから離れられなかったですよ!」

とびさんは体育館のオリジナルソングを作曲されている、言わば公式の体育館作曲家です。僕は緊張しつつも、体育館ととびさんの交流が気になり質問攻めにしてしまいました。
こうやってお話させてもらえること自体が僕にとっては夢のようで、あっという間に時間は過ぎていきます。
とびさんは体育館キャラ全員好きだそうですが、現在はおりーぶくんにお熱のようで、MGRであるさむさんが出品していた色紙を購入していました。さむさんの色紙と言えば2枚しか出品されていない超レア物です。生粋のファンでにっこりです。また、音楽活動をされているということで、けもケットで発売されているCDなども購入していました。ケモノの同人活動は同人誌だけでなく、体育館のようなアイドル活動をしているサークルもあれば、音楽活動をされている方もサークル参加しているということをここで初めて知りました。

とびさん「そういえば、ご飯もう決まってる?決まってなければ、良ければ一緒にどう?」

僕&わたがしくん「「いいんですか!?是非!」」

とびさんは今日帰りの飛行機に乗るそうで、それまでは暇だからと僕達を夕食に誘ってくれました。作曲のみならず、優しい性格でも僕の心を撃ち抜きます。一生ついて行きます。


海鮮isPOWER

夕食は空港内の海鮮をご馳走になりました。こんなお高いものをご馳走して頂いて…。いつかこのお礼は100倍にして返します。覚悟しておいて下さい、僕に優しくした借りは高くつきますよ…!!めちゃくちゃ美味しかったですが、とびさんに言わせると海鮮は地元である石川の方が美味しいとの事だったので、いつか食べに行ってみたいですね。その後も時間が来るまで空港内で作曲のお話を聞いたり(なんととびさんは羽田空港で「またね!」のインスピレーションを固めていたそうです!)、とびさんおすすめのお菓子をお土産に購入したり(メープルマニアという白い恋人のようなバターサンドクッキーです。とても美味しい。2箱目を注文済み)、カフェで趣味の話をしたりと、(お風呂がとても好きらしい、僕もサウナーなのでいいお風呂を紹介してもらいたい)とても楽しい時間を過ごしました。
またとない貴重なお時間を下さったとびさんに改めて感謝。

3日目 「静かな夜」

ホテルに帰ってきた僕達は戦利品を整理します。


体育館グッズ



全同人誌一覧

けもケット13の体育館グッズは非公式含めて全て網羅したつもりでしたが、後々かなり漏れていたことが発覚しリサーチ不足を実感しました。まだまだ僕は無力。そうこうしている間にあっという間に夜も更け、日付が回って少ししたところでわたがしくんは寝てしまいました。今日までは僕が先に寝てしまっていたのですが、無理もありません。グリーティングは思っている以上に体力を使います。ましてや推しとのグリはもはや自分の生命力。推しに分け与えているのではと思えるほどに疲れます。本望ですね。僕もTwitterでのけもケ感想を漁るのもそこそこに就寝するとします。お疲れ様でした。

それでは最終日4日目に続きます。読了ありがとうございました。

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