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こどものロボットごっこに付き合ってみた(創作コメディ)

レイコは保育園で働いている。この日、彼女はリョウとケイタの両親の迎えを一緒に待っていた。

リョウ 「ケイタくん、これあげるー」

レイコ 「凄いねリョウくん!優しくしてえらいね!」

リョウ 「そうなのー。リョウねー、他のお友達におもちゃ貸してあげたり優しくしたりできるんだよー」

レイコ 「すごーい!いいこだねー!」

リョウ 「そう…プログラムされている…」

レイコ 「何て?」

リョウ 「ぼくらロボットごっこしてるの!」

レイコ 「そういうことね!びっくりした!リョウくんはどんなロボットなの?」

リョウ 「戦争で人を殺すために開発されたが、AIに組み込まれた良心と任務の間で揺れ動く戦闘ロボットM-11」

レイコ 「戦闘ロボットに良心は組み込まないであげてくれ…」

ケイタ 「ぼくはルンバ!」

レイコ 「斜め上のチョイス!」

ケイタ 「地べたを這いずり回ってゴミを食べて生きるの」

レイコ 「ルンバをそんな風に言わないであげてくれ…」

ケイタ 「レイコおねえさんはなんのロボット?」

レイコ 「私、意外とアニメ好きだからなー。アニメの中だけどガンダムとかがいいなー」

リョウ・ケイタ 「ガンダムはモビルスーツだからロボットじゃないよ!」

レイコ 「さっきから思ってるけど、君たちほんとに保育園生?」

ケイタ 「そう!リョウくんすごいんだよー!さいしんがたなんだよー」

レイコ 「最新型?どういうこと?」

ケイタ 「リョウ君はクラスで一番最後に生まれたんだよ。」

レイコ 「人に最新とか言っちゃだめでしょ。だれが教えたそんな言葉。」

リョウ 「かたばんはねー20190328」

レイコ 「誕生日で型番を付けるな。」

(リョウの母が迎えに来る)

リョウの母「リョウ!帰るよ!」

リョウ 「はーい。いませいびしさんとお話してたのー」

レイコ 「誰が整備士だ」

リョウ 「ばいばい!せいびしさん!」

レイコ 「もう世話してやらねーぞ」

(リョウが母親に連れられて帰る)

レイコ 「ケイタ君もそろそろ帰る時間だねー」

ケイタ 「おとうさんとおかあさん、充電が切れてたら迎えに来れないかも…」

レイコ 「ご両親もルンバなの?」

ケイタ 「ルンバはルンバから生まれるんだよ。」

レイコ 「そうだったんだ…」

(ケイタの母が迎えに来る)

ケイタの母「レイコ先生~いつもお世話になっています~。ケイタ!帰るよ!」

ケイタ 「はーい。」

(ケイタ達が帰る)

レイコ 「ふう…何だったんだ?今日のは。」

(手首の裏のメーターを見る)

レイコ 「やばい!そろそろ充電しなきゃ!私が保育ロボットだということはばれていないようね。」

リョウ 「やはりそうだったか。」

レイコ 「リョウ君!?」

(リョウが放った弾丸がレイコを打ち抜く)

リョウ 「ボス、例の未登録のロボットを破壊しました。離脱します。」

~終~



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