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猫舌の季節


俺は猫舌で、熱い食べ物を口に入れるのは苦手だ。

淹れたてのコーヒーや出来たての味噌汁は温度が下がるまでしばらく待たなければいけないし、炊きたての白米は先にお椀に盛って放置しておき、おかずを作ってる時間に室温で冷ましておく。

ラーメンなんて、子供みたいに別の容器に移しておいて冷ましたいくらいだ。だからつけ麺って食べ物を知った時は店側が勝手に別の容器を出してくれるので「最高だ!」と思った。スープに入水してないので麺も冷めやすい。
お店で出てくる石焼きビビンバは容器自体が熱く、いつになっても温度が下がらないので拷問みたいなものだ。でも好きだ。
丼物を自炊するときは冷蔵庫で冷やした白米の上に具を載せて強制冷却する。具は冷え、白米は丁度良く熱されて食べ頃になる。

困ったことに熱い食べ物が苦手なのではなく、口内の耐熱温度が低いだけで熱い食べ物自体は結構好きだ。
なので温度が下がりすぎると当然美味しくないので、口に投入出来る温度ギリギリまで待ち、熱すぎず冷たすぎずの時間を見極め放置しなければならない。冷えた味噌汁ほど食べられない物はない...
もし、放置時間を見誤って冷めすぎた際は電子レンジで再加熱し温度調整をする。

我が家の電子レンジは10年以上前のゼンマイ式で「チーン」となる旧式タイプなんだけど、直感的に加熱時間を微調整出来るから便利で好きだ。
単純な機械式インターフェースが好きってのもあるけど。
車のサイドブレーキはボタンじゃなくてレバーを引っ張るやつがいい。

今年の夏は熱くて脳みそ溶けちゃうんじゃないかと心配になるくらいで、普段アパートでエアコンなんて使わないけど、さすがに耐えられなくて結構使ってしまった。

そんな夏もいきなり終わって「もう冬か」と思うほどに寒くなってしまったが、猫舌なのに出来た料理はなるべく早く胃に放り込みたい俺にとっては温度がすぐ下がるので寒い季節は都合がいい。

淹れたてのコーヒーを夏と同じ感覚で放置してたら冷えすぎてなんとも言えない温度になった今、季節のうつろいを感じた。
(そのあと電子レンジで加熱した。以下無限ループ...)

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OLYMPUS E-M5/M.ZUIKO DIGITAL 60mm F2.8 Macro

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