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バレンタインデーの1ヶ月後にホワイトデーが設定されている意味とは?  

企業ノベルティを研究しているtetote ミウラです!コミュニケーションを生み出すギフトのような企業オリジナルグッズを作ることを生業としています。文化人類学的な視点からギフトについて少し考えてみます。

文化人類学者の松村圭一郎さんが書いた、うしろめたさの人類学。おどろくほど読みやすく、文化人類学の視点があると、何気ない日常を振り返る良い機会になります。名著なのでおすすめです!(今回はそれを超解釈して書いています。)

ホワイトデーのお返しをソッコー返すとどうなる?

こんな問いを立ててみます。バレンタインデーにチョコレートをもらいました。もらった側が「ハイお返し!」とその場でホワイトデーのクッキーを返されたら。

え…もう!?

「え?返すの早くね?」と思いますよね。

お歳暮でもお中元でも出産祝いと内祝いでも。なんでもある程度の時間が置かれて返すケースがあります。これはなぜなんでしょうか?ここには贈与と交換という概念が隠れているようです。

「贈与と交換」は微妙なバランスでできている

改めて振り返ると、私たちは誰かにギフトを贈ろう!と思ったら、多くの場合、どこかのお店で購入しますよね。

買った瞬間は「1000円のモノに1000円払う」ことで「お店と私」の間で経済的な金銭の交換が行われています。

買ったものをギフトとして渡す瞬間は「1000円のモノを渡して終わり」です。「受け取った側と私」に非経済の贈り物が行われています。(金銭の交換はありません)

めちゃ当たり前です。が、この贈与(非経済)と交換(経済)の差は、紙一重だというのです。

私たちはわざわざ意識しながら「商品らしさ、贈り物らしさ」を演出しています。

脱経済化(贈り物らしくする)
→もらってしばらくしてから返す/パッケージや袋に入れる/メッセージカードを添える/値札をとる

経済化(商品らしくする)
→すぐ返す/華美な包装はしない/値札をつける

バレンタインデー(贈与)に、経済的行為(交換)を持ち込んだら?

この些細な文脈、私たちはすぐ理解できるように感じますが、改めて見分けるの難しいと思いませんか?特にギフトを渡す・もらう前提の日に揺らぎます。ちょっと間違えるとこのようなことが起こる、そんな思考実験のような試みが下記です。

めっちゃ嫌ですよね…
え?今日 2.14だよね?でもレシート付きだしお金で返した方が良いのかな…?

お店で陳列している時は値札のついた商品です。けど、ある一定のルールに当てはめると贈り物になります。だからその些細な調整により、私たちは贈り物か商品かを見分け判断しているんです。

ホワイトデーがバレンタインデーの1ヶ月後にある理由

タイトルの「バレンタインデーの1ヶ月後にホワイトデーが設定されている意味とは?」という問いに対するChatGPT的にわかる答えは

日本にホワイトデーが生まれたのは、1978年です。バレンタインデーの“お返し”の風潮が若い世代の間で生まれ、これを受けた「全国飴菓子工業協同組合」が3月14日を「ホワイトデーはキャンデー贈る日」と命名し、バレンタインデーのアンサーデーを考案しました。他にも、1977年に福岡のお菓子屋さん「石村萬盛堂」が白いマシュマロを販売し、この日(3月14日)を「マシュマロデー」と呼んだことがきっかけになったという説もあります。

日本いろは文化辞典

こういう、商業的に発展したものだそうです。これだけでは答えとしてつまらないのですが、文化人類学の文脈で見ると。。。

すぐ返すのは「商品交換」になってしまうので、「贈りもの」にするには、返すまでの「時間」も大事。とも言えるのではないかと。

すぐお返ししてチャラにしてスッキリしたい気持ちもわかりますが、相手のことを思って時を待つ。というのも大切なエッセンスなのかもしれません。なんだかエモいですね。

読んでいただいた方は「そのお返しまでの間の時間も含めてギフトなのだ」と楽しんでいただけたら嬉しいです!


文化人類学では、よく贈与と交換の話が出てきます。民族や社会によって少しずつその在り方や工夫の違いがあり面白いです。

現代日本人が常識と思う行為やコミュニケーションは、案外ちょっとした設定だけでギリギリ成り立ってない?信じ得るものなのか?そんなに縛られなくてよくない?という気づきも多く、とても面白い学問です。

私は企業ノベルティを改革すべくtetoteという会社を起業しました。現在の企業ノベルティはせっかくのプレゼントなのに、あくまで「商品」として作られれ、人の心を動かす「贈与」なコミュニケーションをつくれていないと考えています。

なので、ノベルティをギフトへと変革するような試みを行っています。(パッケージ・想いを込めたメッセージ・贈答後のコミュニケーションを考える)

もらったら嬉しい企業ノベルティを!

「喜ばれる贈りものを作りたい!」という企業担当者の方いらっしゃいましたら、ぜひお問い合わせください。一緒にモノづくりできるのを楽しみにしています。

企業ノベルティのこと。子育てと仕事の板挟みで苦しい現代パパのこと。新しい課題に対して発信してます。文化人類学・社会学もテーマに発信もしていく予定です。noteやTwitterでもフォローお願いします!

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