積み木を楽しめた僕たちに、拡大再生産が向いている理由

 こんにちは、Vtuberをやっているテトランパトルです。

 ボードゲーム好きVtuber、なんて肩書きをしょってますので、たまにボードゲームを遊んだりします(たまにでいいのか…?)

 ボードゲームといっても千差万別かつ多種多様で、ひとくくりにできるようなものではありませんが、特に僕が好きなのは「拡大再生産」という要素を持つボードゲームです。

 「拡大再生産」とは、大雑把にいうと「ゲーム中で得られる資源を消費して、より多くのものを獲得できる仕組みをつくっていく」要素になります。

 たとえば、手番が回ってくるごとに1金が基本収入としてもらえるゲームがあり、5金を支払えば工場(毎回の基本収入が2金増える)を買うことができるとします。工場を買うのに5金を消費しますが、その結果として毎回の手番ごとに得られるお金は3金になり、結果的により多くのものを獲得できるようになるわけです。

 「拡大再生産」の楽しさの一つは、繰り返していくことで最初では考えられなかったような高コストのものに手が届くようになり、獲得できるものが目に見えて増加していくところにあると僕は思います。
 つまるところ、これは現実よりも遥かに超スピードで進む成長や発展の縮図だと言えます。実際、「拡大再生産」を主な要素として持つゲームには、「領地開発」「都市発展」といったテーマを持つものが多々あります。
 より身近なテーマでは「商売」も「拡大再生産」の要素を持つゲームで使われることがあります。立身出世というカタルシスも感じられそうですね。

 話は変わりますが、これをご覧のみなさんは、幼いころに積み木はたしなまれていたでしょうか?
 積み木を楽しんでいた、と自信をもって断言できる方。そんなあなたにはぜひ、「拡大再生産」の要素を持つゲームを遊んでみて欲しいのです。

 「どうせ、積み木は拡大再生産と同じで、現実よりも超スピードでオブジェクトを積み上げて成長や発展をさせていくから、積み木が好きなら拡大再生産も好きになるはず!って論調でしょ~?」とお思いのみなさん。当たらずとも遠からずですが、もうちょっとだけお付き合いください。

 僕が考える積み木と「拡大再生産」の似ている点は、1回遊ぶごとに同じ形にこだわらず、さまざまな形をつくることができるところです。

 積み木でお城や塔をつくるとき、毎回同じ形で作る人もいれば、1回ごとに別々の形で作っていた人もいるでしょう。自分にとってベストな形を追求していた人もいれば、その時の気分で好き勝手に形作っていた人もいると思います。
 積み木は自由です。どのブロックを使うのか、どんな形を目指すのか。自分の中の基準だけがルールで、邪魔をしてくるのはおおむね物理法則ぐらいです。
 そして同様に、「拡大再生産」もまた自由なのです。

 ボードゲームではありませんが、「Civilization」という PCゲーム(シリーズ)があります。時間泥棒なアレです。
 あのゲームでは、都市の建造物や、周辺の地形をプレイヤーの意思で改善していくことができました。食料を生産する畑を敷き詰めたり、山を鉱山にして生産力を高めたり……その結果として、都市は成長・発展し、より多くのものをもたらすようになっていきます。そう、「拡大再生産」です。
 プレイヤーは都市にどのような方向性を持たせていくかを自由に選択していきます。都市にあった最適な方向性を持たせることが多いですが、時として全体で不足しているものを補うために、適性のない方向へ発展の舵を切ることもあります。その選択は、積み木をどのように積み上げるのかが自由であるように、すべてプレイヤーに任されています。

 「拡大再生産」の要素を持つゲームで敗北したとき、どうすればよかったのかを考え、次のゲームで活かすことができます。組み立てた積み木を崩し、より良い形にするために、もう1度挑戦するときのように。残念ながら、組みあがった積み木を崩してしまうときの、背徳的なまでの喜びは得られないかもしれません。しかし、試行錯誤の末、ベストに思える「拡大再生産」の流れをとらえることができたとき、その喜びは超大作の積み木作品を作ったときにも勝るのではないでしょうか。

 積み木を楽しんでいたみなさん。ぜひ、思考と判断の積み木である「拡大再生産」要素をもつボードゲームを遊んでみてください。幸いなことに、木製コマを使うボードゲームは多々あります。懐かしい手触りと共に、新たな楽しみを味わって頂けることを願っています。


 ちなみにこのご時世、インターネット上でも「拡大再生産」要素を持つボードゲームを遊ぶことができますよ!
 僕のYoutubeチャンネルでもボードゲームを紹介したり、その他なんやかんややってますので、よければぜひ一度ご覧くださいませ~(宣伝活動)