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19年越しのスノースマイルの新解釈に興奮が冷めない

こんにちは。

皆さんはBUMP OF CHICKENの『スノースマイル』という曲をご存知でしょうか。

ご存じなかったらまずこの記事を読む前にこの曲を歌詞を見つつ一度聴いてほしいのです。

概要欄に歌詞が載ってます。

映像は歌詞の世界観とあまり関係ないので、無邪気にはしゃぐメンバーが可愛い事は置いておいて、歌詞を見ながらただ聴いて欲しい…


私が今まで受けてた印象:「若い頃の恋愛を思い出している男性の歌」


『冬が寒くって本当に良かった』

この出だしから、私はもう歌詞に心を掴まれる。

手をつなぐ口実に、「冬の寒さ」を喜ぶその言葉。

相手の冷えた左手を、右ポケットに入れて。
多分女性の方が背がだいぶ低いのかなぁ。
歩幅が自分の方が広いから、出来るだけ自分はゆっくり歩く。
振り返ると、君がいる景色。

でも、君はもうそばにはいない。
冬が来る度に思い出すんだ、右ポケットの想い出を。

君がいない道を歩きながら思うんだ。
僕は君と、出会えて良かった。


これが今まで、リリースされた2004年に聴いたときからこの歌詞に私が受けていた印象です。

いかがでしょうか?
同じような印象を受けた方も多いのではないでしょうか。

(何かよくあるネット記事みたいだな)




歌詞と世界観に感じていた違和感


落ち葉を蹴っ飛ばすなよ
今にまた転ぶぞ
何で怒ってるのに楽しそうなの

歌詞から引用

まずひとつめの違和感がここ。
中高生ぐらいの無邪気な女の子が「雪が降れば良かったのにィ!」って膨れて落ち葉を蹴っ飛ばすのを、微笑ましく見ている彼氏像が思い浮かぶのですが…

私が引っかかっていたのは「また」転ぶぞ、という一文。

落ち葉蹴っ飛ばした勢いで転ぶのを何回も繰り返してるってことですよね。
いやいやある程度成長した女性が、どんだけ張り切って蹴飛ばしたらそんな枯れ葉の中で転ぶんだよと。

しかも学習しないのかよ、と。

でも、まぁここはそこまで大きな違和感ではなかった。
恋愛したての時ってお互い浮かれてるから普段ではやらないこともやったりしますし。

もう一つの違和感がこちら。

君と歩くには少しコツがいる
君の歩幅は狭い
出来るだけ時間をかけて景色を見ておくよ
振り返る君のいる景色を

歌詞から引用

結構体格差があるカップルなんだなぁと思ってたんです。

でも。振り返る君のいる景色ってことは、ここでは、横に並んで歩いていないんですよね。
いやいや彼女の歩幅が狭いからって、先に歩くんかい、と。

振り返って君がいる景色見てるんじゃなく、ゆっくり歩くとかさ。
あるでしょうよ。


でも、私は昨日、突然この歌詞が、男女の恋愛の歌じゃないのでは?ということに気づいたのです。
確信はないけど、こっちのほうがどう考えてもしっくり来るんです。

そして、公式に本人も『恋愛の歌じゃなくてめちゃくちゃ硬派な歌なんだよ』と言ってるんです!!!

まじか!!!


リンク先から引用しています



そして新解釈


この歌は恋愛の歌じゃない…!って思ったきっかけは、子どものお迎えでした。

小さな娘の手を引いて、雪が積もった道を歩いて。
スノースマイルでは相手の手が冷えてるんですけど、私の場合は逆で。
寒い中お迎えの車を運転してきた手より、幼稚園から出てきた娘の手がむしろホッコホコで。

だから私は湯たんぽ代わりに娘の手を握って、ポケットに入れてしまおうとしました。

へへ、ちょっと違うけどスノースマイルだぁ。なんて思いながら。
そして何気なく、この歌を口ずさんだんです。


そしたら脳内に『父親と娘のスノースマイル』映像が溢れ出したんですよ…!

まさか…!って思って。
歌詞を見ながら歌を聴いて、ボロボロ泣いてしまった。


*****


手を繋ぐことを嫌がりはじめた娘と手を繋ぐ口実ができる。
『ああ、冬が寒くて良かった』。

”おまねきする”って表現も、子ども相手だと思うとなんて愛おしい言葉選びなんだろう。

『雪が降れば良かったのに』ってむくれて枯れ葉を蹴飛ばす娘に『そんなことやってたらまた転ぶよ』と笑うお父さん。

子どもなら、枯れ葉の中で何回ころんでてもおかしくないです。

怒ってるのに楽しそう。
そんな子どもの姿も想像がつく。

そして一番の違和感だった「歩幅の差」と「相手を置いてけぼりにして歩く描写」も、親子だったら全然違和感がないんですよ!!!

子どもがあちこち寄り道して、もたもた歩いてくるのを微笑みながら見守るなんて全然当たり前の光景。

出来るだけ時間をかけて
景色を見ておくよ
振り返る君のいる景色を

歌詞から引用

どんどん成長して、いつか、振り返った先に君がいなくなることがわかっている親の立場からの言葉だと思うと…もう、もう…(泣いてる)


君と出会えて本当に良かった

僕の右ポケットにしまってた想い出は
やっぱしまって歩くよ

君のいない道を


あああああああ

子どもが、子どもが…

自立してるうううううう(号泣)

というあふれる想いと頭に浮かんだ映像を心の赴くままに描いた2枚のイラストがこちらです。


あああ…愛おしい…愛おしい…



…これも…幸せなんだ…


いかがでしたか?
(まだやる)

これ、別に子どもは娘である必要もなくて、多分息子でもいいとは思うんだけど。何となく歌詞の印象で相手は女なのかなって印象はありますよね。


これ、もう感動が過ぎて、Twitterでもツイートしたんですよ。
「これからはリプへの返信も控えめに」なんて言った数日後なのにあまりの興奮に、共感して下さる全てのリプにしっかり反応してしまっている私です。

そして引用ツイートでも「ほんとだ!!」「そう思うと泣ける」みたいな言葉がたくさんあって、あああ、そうでしょそうでしょう、そう思ったらそうとしか聴けないでしょう。興奮が冷めやらない。

そして夫にこのツイートを見せた上で「目を閉じてそっとスノースマイルを聴きなさい」と渡したら、聴き終わる頃にはすっかり号泣していて、その後娘を全力で抱きしめに行っていました。

藤原さんの言葉で

「これほどまでに硬派な歌はない」

って書かれてましたけど、娘との想い出が入ってる右ポケットに手を入れて雪原を見て微笑む年老いた父親を想像したら、もう、めちゃくちゃカッコよすぎて泣ける。

この歌で一番伝えたかったのは
『君のいない道を』の部分らしいんですけど。

私もそこでぐわーって泣きました。
君が近くにいないことは、むしろ、幸せな事なんだと。
それを願えることが、幸せなことなんだと。

もう凄い。
親になってこの解釈で聞くと、この歌詞、心の琴線に触れすぎてすごい。

いや合ってるかわかんないけど。

私はこうだと信じて今度からこの歌を聴く。


BUMPの歌で泣いたランキング(唐突)

一位「ダンデライオン」
二位「ギルド」
三位「Aurora」「RAY」(同位タイ)

三位に「スノースマイル」が浮上してくるほど泣けた。

上位2つは多分不動だと思う。

死のうとしていた自分を生きる方に連れ戻してくれた2曲なので。

音楽の歌詞って小説よりも、漫画よりも、下手したら絵本よりも、もっとずっと少ない文字数しか使えないのに、その世界を頭の中に連れてこれるの凄すぎる…。

藤原さんの歌詞は、特にどれも物語性が凄すぎて尊敬の極み。

人生何周してるんだよ、といつも思う。
どうやってこの世界を作れるのか、一度聞いてみたいもんである。

岸田さんの2023年目標リストの中で『対話力を磨いて会いたい人に会わせてもらう』リストのトップにも藤原さんがいらっしゃる。
岸田さんほどの方でも、トップに躍り出るほど会いたい方ということである。

私も対話力なさすぎて、もし奇跡が起こって会えても、ただひたすら挙動不審になって終わりそうだ…対話力…磨こ…。

自分の作品が何らかの形で映像化されて
『誰かに主題歌をお願いするなら誰に頼みますか?』
と聞かれる日がいつか来るなら、絶対BUMP OF CHICKENに歌って欲しいと願っている私です。

叶うといいな。

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