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【メイレビュー】9/13 Jリーグを目指すハーフウェイクラブ必見「イチからつくる」育成システム伝授します〜 #ハフコミ 隔週報 vol.13(五十嵐メイ)

<ハフコミとは何か?>
・ハフコミとは「ハーフウェイオンラインコミュニティ」の略称である。
・ハーフウェイとは、日本サッカーのピラミッドの「中腹」を意味し、ここではJFL、地域リーグ、都府県リーグ及び北海道ブロックリーグのカテゴリーを指す。
・ハフコミは地域やカテゴリーの垣根を超えて、オンラインで人をつなげながらハーフウェイカテゴリーを盛り上げることを目指す。
・ハフコミはハーフウェイクラブの当事者(フロント、パートナー、選手、ボランティア、サポーター)の幅広い参加を求める。

 みなさん、こんにちは! ハフコミウェビナーの「メイレビュー」を担当している、ライターの五十嵐メイです。
 9月の月のテーマは「育成」。育成と聞くと、指導方法かなと思う方もいらっしゃるともいますが、そうではなく今回は、育成システムの構築について! バリュエンスホールディングス株式会社の二宮博さんに特別講義をしていただきました。

 そもそも、ハーフウェイクラブと育成組織について、私の頭の中で結びついていない部分があったので、今回のウェビナーに参加するまでピンときていない部分がありました。
 育成組織というのは、私の中ではトップチームへの昇格を目指す選手が所属しているイメージ。なので、まだまだ発展途上にあるハーフウェイクラブの育成組織についての現状を知る良い機会だなと思うと同時に、実際にどういった話が展開されるのか想像がつかず、私自身とても楽しみにしていました!

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■二宮博さんのプロフィール

 J1のガンバ大阪で、1994年から27年間にわたりアカデミー組織を支えてきた二宮さん。ワールドカップ・ロシア大会のメンバーだった、宇佐美貴史や昌子源や東口順昭といった選手たちも、実は小学生時代に二宮さんがスカウト。高校時代に無名だった播戸竜二さんを「発見」したことでも知られており、まさにガンバ大阪の「伝説のスカウト」です。

 また、トップチームへ昇格した選手が多いだけではなく、これまで日本代表に選出されてきた選手の中には、ガンバ大阪のアカデミー出身者が数多く見られます。東京大会のメンバーでいえば、堂安律や谷晃生や林大地がそう! この素晴らしいタレントたちを輩出してきた、育成組織をゼロから作り上げる中心となっていたのが、二宮さんだったのです。

 二宮さんは現在、元ガンバ大阪の嵜本晋輔さんが代表取締役を務めるバリュエンスホールディングス株式会社で、自身の経験を生かして大学や高校での講演会などの社外広報活動を中心とした仕事をされています(その嵜本さんも、実は二宮さんがガンバ大阪時代にスカウトした選手の1人です)。

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■「トップに昇格できる」と言えない町クラブの悩み

 実際にハーフウェイクラブの運営に携わる参加者の方から、ウェビナー中に次のような質問が投げかけられました。

「良い選手を育てても、強豪校への進学を選択せざるを得ない。『トップチームに昇格できる』という宣伝文句がない町のクラブは、どうやって選手を集めれば良いのでしょうか?」

 たしかに、Jクラブの育成組織の場合は「トップチームに昇格する」とか「プロサッカー選手になれる」といった、わかりやすい目標があります。そして、それが選手側にとっても、クラブを選ぶ際のひとつの基準になっていることは間違いないと思います。ところがJリーグ以下のハーフウェイクラブにとっては、そうしたわかりやすい目標を強く打ち出すことができないわけです。

 有望な選手に育ったとしても、進路選択の際、サッカーの強豪校に進学してしまうという悩みを持つハーフウェイクラブ。これに対して二宮さんの返答は「強豪校への進学という選択肢が充実しているクラブとして選手を育成する」というもの。私はこれを「選手の進学先やセカンドキャリアの選択肢を充実させる」という意味で理解しました。

 たとえプロ選手になれないクラブだとしても、その先の選択肢が充実していれば、選手にとっては「自分の可能性が広がるクラブ」になります。そういった良い評判が広まれば、選手が集まってきそうですね。さらにはそこから、一緒にJリーグへの昇格を目指す選手がたくさん輩出されれば、トップチームの強化にも繋がっていきそうです!

 ガンバ大阪時代にユースに昇格できなかった本田圭佑選手に、石川県の星稜高校への進学を進めたのも二宮さんだそうです。必ずしもトップ昇格だけが正解ではないという経験を持つ二宮さんだからこそ、アドバイスできることなのかなと思いました。

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■次回のハフコミ予定は10月4日

 ということで、今回は育成のスペシャリストの二宮博さんを特別講師にお招きしてのウェビナーでした。業界のスペシャリストに自分のクラブが抱える悩みを気軽に質問できるのは、ハフコミならでは! まだまだハフコミも始まったばかりですが、少人数の今だからこそ込み入った話ができるチャンスでもあります。また第1部はYouTubeライブで、どなたでも視聴できます。興味がある方は、ぜひ気軽に覗いてみてくださいね!

 今回のレビューは、実際の悩み相談を中心に書かせていただきましたが、ウェビナーでは二宮さんからアカデミー組織についての考え方を直接伺える機会もあり、サッカーファンは思わずヨダレが垂れてしまいそうなお話をたくさん聞くことができました。他にも小学生のスクール事業について「強化という意味合いが強いのか、それともクラブの事業としての展開をしているのか?」という質問も。

 Jクラブの小学生を対象にしたスクールは、ホームタウン全体で幅広く展開しているクラブが多いイメージです。これについて二宮さんは「収益拡大的な位置付けにあたる」そうで「ハーフウェイクラブも上手に展開をすることができたら、クラブの資金拡大につながるのではないか」というお話もされていました。

 日本のトップカテゴリーで経験を積んだ方の知識が、幅広く伝わっていく。日本のサッカーが強くなるためには、必要不可欠なことだと思います。カテゴリーを問わず、情報交換が活発になればなるほど、日本のサッカー界は良い方向に発展していくのではないかなと思いました!

 次回のハフコミウェビナーは、10月4日予定です。次回はどんな講師の方に出会えるのか、今からとても楽しみです。詳細はまた後日、ご案内させていただけたらと思います。


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