子供と民主主義

 集団になって街に出てデモをしたりすることが民主主義だと思ってゐる人がゐる。
 さういふデモを見ると、「民衆が立ち上がった」といふことで、やっと民主主義が機能し始めたと喜ぶ人もゐる。

 実際に民主主義とはさういふものなのかもしれないが、たとへば、原子力発電は絶対にダメだといふことで子供づれでデモをしてゐた人たちは、今は、もう、原子力は安全だとわかったのだらうか?
 わたしなどは、原発にはいまだに不安を感じてゐる。

 なんだか、「もうすんだこと」といふ感じになってゐないだらうか?
 「立ち上がった民衆」は、今、どこで何をしてゐるのだらうか?

 もし、ただ、大勢が集まるから自分も参加したといふのなら、さういふ人は民主主義者であると同時に、子供だったのだと思ふ。
 子供を連れて自分も子供に戻るひとときを、たとへば、毎週の国会前で楽しんだのだらう。


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