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父親になる パート2

この記事をあげたのは年明け間もない頃だったけど、いよいよその日が近づいてきた。

昔からトツキトオカと表現されるこの期間。男である私が言うのはおかしいかもしれないけれど、長いようで短い、短いようで長い、なんとも言えないこの期間だった。ってまだ生まれてないけどね。

この期間、男という生き物はこうも無力なんだな、と思うことが多々ある。

悪阻やホルモン分泌の変化に苦しむ妻がいる横で、私はと言えば当たり前だけれど、びっくりするくらい体調は変わらない。何かしてあげたいと思っても、基本的にやることなすこと無駄どころかかえって邪魔になることが多く、どうしたものか、と。

ただその出産までの過程を変わってあげることはできない。

そこで私ができうることは全てやろう!と決めた。

と言っても全然大したことではないけれど、チリも積もれば何とやらである。妻が少しでも楽になればお腹の子にも良い影響があるはずだ。

お風呂掃除・ヨーグルト作り・洗い物・たまに洗濯・片付け・模様替え・妻が調理中の食卓の準備・ゴミ捨て・車での送迎・妻が必要だと思った物事を自ら率先してやる

などなどである。

って「である」というほど恩着せがましく言うことないかもしれないけれど、チリも積もれば、だ。

よく子育てに“協力的”な男性を「イクメン」と評したりするが、私からすれば協力的も何もそんなものは当たり前も当たり前で、その“協力的”という表現自体が、基本的に女性が子育てを行い、男性が助ける、という姿勢を表しているように感じる。一緒にやるもんだし、協力なんておかしいんじゃないかなぁ。まぁ、言葉遊びかもしれないけれど、子育てに「男性が協力」という表現は個人的に好きではない。

しかしながら、かくいう私もある日、妻が夜中眠れずに苦しんでいるのにそれに全く気が付かずに呑気に寝ていた。おそらく今後、ぐずっている子どもに気が付かず呑気に寝る私を想像してか、妻は拗ねた。

その怒り、当然である。ごもっともなこと、この上ない。(こんな表現無いかも知れんけど)

昔から私は寝ることに関してあまり悩んだことがない。起きている間に色々と悩んでいても眠れないほど悩んだことはあまりない。

方や妻は寝る前に頭を使う作業などをすると、なかなか眠れないということも多く、色々あった結婚前や妊娠前でも横で呑気に寝る私に怒りを覚えたことは一度や二度では無いはずだ。間違いない。

しかしながらどんなに悩んでいても、私は寝てしまうのだ。かと言って悩んでいなかったわけでは無い。って誰に言い訳しているのかはわからんけど、それなりに悩んだり、考えてはいても、寝てしまう。

そこに今後加わる、新生児という超マイペースな新戦力。

妻にしてみれば、子どもが二人になるような感覚なのだろうか。いや、流石にそれは無いか。ただ私への愛情曲線は確実に変化する。子どもが一番になる。そりゃそうだ。当たり前。むしろそうなるべきだと思うけど…。気になるのはこのグラフ。

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(出典)東レ経営研究所ダイバーシティ&ワークライフバランス研究部長
    渥美由喜著「夫婦の愛情曲線の変遷」

いや分かった。夫への愛情が落ちるのは。ただちょっと待って欲しい。このグラフおかしく無いか!?マックスでも彼氏・夫への愛情は50%って!そして回復しても50%以下!低迷グループに至っては0%、、趣味やその他以下!

いやー、切ない。これが本当なら切なすぎる。

今、妻のお腹にいる子どもが高校入学の頃は私が還暦手前。(マジか…。仕方ないけど…。苦笑)

そこで「はい、あなたは0%です。リコーン。さようなら。」などと言われて、捨てられた日には目も当てられない。還暦手前で冷凍餃子にストロングの日々は流石に無理だ。(そういう生活をされている方、ごめんなさい。ただ私にはあの頃に戻るのは無理です。)

だから積極的に育児家事参加をしている訳では無いけれど、これを見る限り世の男性はもうちょっと女性のことを気遣う必要があるのでは無いだろうか。

まだ安定期に入っていない頃、悪阻がキツイ中、週に何度か都内へと行き来をしていた妻だったが、マタニティマークを目の前にしても優先席に座っている人たちが誰も席を譲ってくれないことが多々あったと聞き(もしかしたら、優先的に座るべき人たちだったのかも知れないが、話を聞く限りそうで無い人たちも普通に座っていた)腹立たしく思うと共に、悲しい気持ちになった。誰しもがその過程を経て生まれてきたはずなのに、今まさにその過程を経ている妻を目の前にして、声を掛けることが出来ない生活をしているのかと思うと、そんな働き方、生き方をしてはいけない。。

話の方向が変わってしまいそうなので、閑話休題。

妻に「譲ってください」って言って欲しい、と伝えると、いや、、言いにくいよ、、と言うので、せめて声を掛けやすい状況になれば良いと思って、買ったのは「マタニティを応援するストラップ」である。

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私からすると、優先席と同じでこのようなものがあること自体が悲しい。どの席も優先席であるべきだし、妊婦さんをはじめ、助けが必要な人は皆社会の助けを得ることができるようになって欲しい。ただ現実はそうで無いから、優先席が必要だし、このようなマークも必要なのだ。

私は子どもが生まれても、そして大きくなってもこのストラップは付けておく。そして願わくば、将来的には優先席もこのマークも必要ない社会になってくれたらなぁ、なんて思う。



残念ながらコロナの一件で、立ち会い出産どころか、定期検診にも一緒に行くことはできない。

陣痛が始まって、入院したら次に会えるのは一週間後の退院の時。

切ないわー。世知辛いわー。


その日を目の前にして、妻とよく話すのは

「二人だけの生活もしばらくお預けだね」

こんな話をしていたら土鍋で炊いていたご飯を焦がしてしまった。

還暦手前で0%にならないように、これからも頑張ります。汗

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