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「ツイートしてない罪」追加:開示請求の闇

ゆっくりしていってね!

はい。今日はとても短いけれど、とてもヤバイ話をするのだわ。

えーっと、問題は上の記事ね。

ただ、内容に入る前に、ネットで誹謗中傷を受けた時の裁判の流れを簡単に説明するわね!

ちなみに、「大体知ってるわ~。」って人は次の見出しまで飛ばせばいいのだわ。


ネットで匿名アカウントから誹謗中傷された時の裁判の流れ

Twitterで誹謗中傷されたとしましょう。そして、被害者の人が――まあ、お金はかかっちゃうけど――その誹謗中傷した人を訴えようと思いました。でも、相手の住所・氏名が分からないと訴訟って出来ません、と。

ネットで実名活動している人は少ないわね? だから、まずTwitter社に向けて「こいつの住所・氏名を教えてね! ゆっくりしないですぐでいいわよ!」という主張をしなくちゃいけないのよ。

けれど、Twitter社だってたかが個人からの「教えてね!」の一言で個人情報を簡単に渡す訳にはいかないわよね。どんな悪用されるか分からないし、ポイポイ渡してたら、むしろその行為こそが違法になっちゃうのだわ。

だから、裁判所で「開示請求」ってやつをお願いして、裁判所から「この人(このアカウント)の個人情報を教えてあげなさい!」という命令をTwitter社に出してもらわなきゃいけないのよ。

これが認められるかどうかは、簡単にいえば「少なくとも裁判で争うだけの違法性が『ありそう』かどうか」よ。「個人情報を教えてね裁判」の時点では「本当に悪い誹謗中傷をやったか」は決まらないけど、「それっぽい」かどうかは判断されるわ。

例えば、「この漫画は面白かったのだわ~!! みなさんにオススメ!」と私がツイートして、その漫画が嫌いな人がめっちゃムカついてしまって「この手嶋とかいうやつの個人情報を教えろ!」と裁判を起こしたとしましょう。

この場合、さすがに裁判官も「いやそれは……個人情報を教えるほどの違法性は無さげでしょ? 却下~却下~。」と言ってくれるわ。(最近このラインがどんどん怪しくなっているという話は今回はしないわね。)

一方で、私が「〇月〇日、〇時に〇〇駅でナイフで人を刺しまくります。」という犯罪予告ツイートをしたら、まず間違いなく確定で開示命令が出るわね。

それはそう。仕方ない。

多くのツイートは、「嫌いな漫画を褒めてるやつにムカついた」と「ガチ犯罪予告をした」の間にあって、裁判官さんの「開示命令を出そうかなあ、どうしようかなあ……。」って判断も当然ビミョーになるわ。

特に誹謗中傷は、せいぜい否定的な論評の範囲に留まるのか、それとも違法性のある権利侵害なのかで判断がよくブレるわね。

ともあれ、白黒でいえば、白っぽければ開示命令を出さない、黒っぽければ開示命令を出すってイメージを持ってもらえればいいでしょう。

裁判官さんに「黒っぽい」と思われて、開示命令を出してもらえたら、Twitter社から個人情報をいただいて、そこからようやく本番の「違法性のある誹謗中傷かどうか」裁判をスタートさせられるわ。(この2ステップ裁判が一体化されたという小話もあるけど、今回はこれまた割愛するわね。)

じゃ、本題に行きましょう!

それで開示請求を認めるのか?


本件では、とある人が違法性のある誹謗中傷をされたと考え、裁判所を通して情報開示請求をしたのだわ。そして、それが以下の通り認められたわ。

訴訟記録によると、母親側は投稿の画面を写したとみられる画像を入手。花さんが亡くなった直後の時間帯に「花さん息してるー? ってもう遅いかWWW」「嫌ならおとなしくしとけば良かったんに」などと送った投稿とされる。
 母親側は提訴に先立ち、投稿画像で確認したアカウント情報を基に、ツイッター社を相手取り、投稿者の情報開示を東京地裁に請求。投稿者のIPアドレス(ネット上の住所)の開示を受け、さらにプロバイダーに対して氏名や住所の開示を請求した上で、女性ら一家が投稿者であると判断し、提訴に踏み切った。

他人がSNS中傷を「捏造」、木村花さんの母は気づかず提訴…真偽見極め困難
※太字強調は引用者による。

訴訟が起こせているということは、裁判所が開示命令を出したのだわ。

けれど、記事にあるように、「違法性がありそう。」と判断した根拠は以下のようなツイートのスクショ画像で、しかもこれが捏造だったわ。

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