![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/69962551/rectangle_large_type_2_713287b5edbb5c285b7f8c4d23e373c9.png?width=800)
『神話の力』を届ける 旅に出よう
神話の力とは
映画スターウォーズの三部作が、『千の顔をもつ英雄』という本からのインスピレーションで生まれたのは有名な話だ。
この本の著者のジョゼフ・キャンベルは、世界中にある無数の神話を集めて、そこに出てくる英雄の旅の普遍的な物語構造を発見し、その彼の授業を映画監督のジョージ・ルーカスが聴いていたのである。
『神話の力』とは、
このジョゼフ・キャンベルの神話に関する思想に感銘を受けたビル・モイヤーズという知識人が、テレビ番組の企画でインタビューした内容が、物凄い反響となり、書籍化されたものだ。
今なぜ、神話の力が必要なのか。
我々が、世界の中で生きていく中では、その世界の中の神話(物語)が必要であった。物語が生きる力と希望を与えてくれた。
西洋では、長い間、キリスト教がその物語を担い、世界の終わりにイエスが降臨しこの世界を救ってくれると、人々は信じてきた。
日本では、親鸞が、南無阿弥陀仏と唱えれば、悪人こそ救われると信じて、衆生をこの世の苦しみから救い、生きる希望を与えてきた。
また、その社会の中で、自然の中で生きていくことは、そこに棲む八百の神を畏れ敬い、その恵みに感謝し祈ることだと教えられ、先祖代々生きてきた。
神話は、世界の夢だった。 元型的な夢であった。
神話は、その社会の宗教、信仰に力を与え、その時代に一つの物語を作り、人間と社会の諸問題を扱い、人々を救ってきた。
人々は、世界とうまく、折り合いをつけるために、自分の人生を現実と調和させるために、物語を作ったり、語ったりしてきた
しかし、現代人は、この地上からその神秘を剥ぎ取ってしまった。
信仰も宗教も神もいない、この時代の中で、我々はどのようにして、世界と折り合いをつけて生きていけばいいのか。
今こそ、神話から、自分たちに必要な新しい物語を導く必要がある。
資本主義というのも、我々に働いてきた一つの物語であるが、それが信じられなくなった今、
神話の言葉を聴く時がきたのだ。
神話は、これまでも今も、人間の精神に働きかけ、内面の神秘的な知識を開き、その時代の人々に生きる叡智を与えてくれるのだから。
『神話の力』届ける 旅に出よう
『神話の力』の中にこんな件が出てくる。
<キャンベル>
私は、若いときに遭った災難がもとで長年ひどい肉体的苦痛にさいなまれていたある女性のおかげで、目からうろこが落ちるような経験をしたことがあります。彼女は敬虔なクリスチャンとして育てられました。
ですから、そのような状態は、自分がなにかをした、あるいはしなかったために与えられた神の罰だと考えられていました。
彼女は肉体的な苦痛と同時に精神的な苦痛の中にもいたのです。
私は彼女に、もし安らぎを得たかったら、苦しみを否定せず、それそのものが人生だと認めてはどうだろう、と言いました。
きみは苦しみを通してこそ、いまのような立派な人間になったのだから、と。
そう言いながら、実は心のなかで、「せいぜい歯痛くらいしか知らないくせに、ほんとうの苦痛に責めさいなまれている人に向かって偉そうな口をきいているおまえは何者だ」と考えていました。
しかし、この会話を通じて彼女は、苦しみこそ自分を形づくったもの、苦しみこそ自分の教師なのだと肯定的に考えることで、ひとつの回心を経験しました その場で即座に。
それはずっと昔のことですが、以来ずっとつきあいを保っています。
彼女はまさしく変身を遂げました。
<モイヤーズ>
正覚(illumination)の瞬間が訪れた?
<キャンベル>
そうですー私の目の前で。
<モイヤーズ>
それは、先生が神話的な話をなさったからでしょうか?
<キャンベル>
ええ、説明はちょっと難しいのですが、私は、彼女自身が彼女の苦しみの原因であること、なぜか彼女がそれをもたらしたのだということを、彼女に信じさせたのです。
『神話の力』の中にある、数ある珠玉のメッセージの中で、僕はこの一連の対話にひかかった。
僕も、キャンベルのようなことが出来るのではないか。
歯痛しか知らないような、しょうがない人間であるが、
神話の言葉を、誰かに届ければ、
その人に、イルミネーションが起こるのではないか。
そして、『神話の力』の中には、「英雄の冒険」について書かれている。
英雄は、冒険に出る。
そして英雄の普遍的な冒険のプロセス、スターウォーズでルークが経験したプロセスとは、
1.現況から離れ(セパレート)
2.彼方で通過儀礼に遭い(イニシエーション)
3.新しい自分となって帰還する(リターン)
「おまえの父親を探しにいきなさい」
父親探しは、若者にとっての英雄的冒険の主たるものです。
それは、自分の経歴はなんなのか、自分の本性は、自分の源はなんなのかを見つけ出すための冒険です。
自分では気づかなくても、われわれみんなの中に英雄が潜んでいる
僕の中にも、その英雄がいるはずだ
僕は、小さな冒険(旅)に出ようと思う
『神話の力』の言葉を、誰かに届けるための小さな旅に
そこに何か明確な目的はない
自分の中の内なるものが、突き動かしてくるのだ
小さな旅(試み)をしてみよと
旅を始めると試練に遭遇するだろう
逆に誰かとの出会いや 助けもあるだろう
旅のどこかで、新しい自分の本性や
自分を突き動かしてる自分の源泉に
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?