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てるるな話 第ニ葉 お花見

太陽先生の暇つぶし対策のためにこの世に生を受けたてるるは、ハリガネと布であった頃から得意なことがある。それは、暇を持て余すことだ。
その人が得意とすることや特技は、ともすると、誰かのためになる必要があるもののように捉えられがちだし、少なくとも本人は楽しい気持ちや充実した気分になっているべきだという固定観念がある。
それを覆すのが、てるるの存在そのものだ。

てるるだって、暇だった。
ずっとずっと、暇だったんだ。

太陽先生の気まぐれからなんとなくてるてる坊主にさせられ、暇つぶし対策課の課長ないし新人営業マン扱いをされているが、実際はただのハリガネであるし布であり、吊るされるだけの存在のはず。その生き様は、暇を持て余す以外の何者でもないのではないか。

てるるはそんなことを考えながら、どんどん自分の体がつめたくなっていくのを感じていた。
ぴとぴととハリガネにまとわりつく撥水加工を施された布。そんな加工をも乗り越えて降り続く雨、雨、雨。

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太陽先生の光はほとんど届かない、しっかり雨天。

てるるは、すこしだけ雨をはじきながら、ふんわりそれをやりすごす。
そしてそういえばという感じで、言った。

「お花見、楽しいなー」

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降り続く雨、咲き誇る桜。

てるるは今日も明日も、暇を持て余す。





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