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30代の私たちが養育里親という生き方を選択した理由と願い

この記事は10日間ライティングチャレンジ10日目の記事です。Day1~Day10で国際カップルのあれこれを書いています。
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30歳で結婚し、1年、2年と時が経過してくると周りの人間が聞いてくるのは子どものこと。

特にご年配の方は容赦なく「子どもはいつだ、いつだ」と迫ってくる。子作りに消極的な意思を示すと「子どもを作っておかないと一生後悔するぞ!」と半分脅しに近い一言を言われた。

私は旅が大好きで、まだまだ行きたい場所がある。それにやりたいこともたくさんあり、家の中で子育てしているイメージがどうしても湧かなかった。子育ての素晴らしさはなんとなく理解しつつも、自分の自由を奪われてしまうのではないかという気持ちが上回ってしまう。

彼の方も子供は大好きだけれど…だけれど… 
彼は生粋の旅好き。60か国以上の旅経験があるくせに「まだまだ俺の旅は終わらねえ」そうです。

海外と日本で異なる家族観

カナダの友人たちと話をしていると、日本人との感覚の違いに少し驚く。特に養子に対する考え方が大きく違う。

養子を迎え入れることが何か特別なことではなく、身近なオプションとして存在しているよう。たとえば2人の子どもを出産した私の友達は、3人目として養子を迎え入れたいと語っていた。実際に里親に育てられたという友人もいる。

今はまだやりたいことがありすぎる私たちだけど、40歳、50歳になって子どもが欲しいと思うかもしれない。そんなとき妊娠・出産が難しくても養子がうちに来てくれたらいいね。私と彼はいつの頃からか、そんな会話をするようになっていた。

1枚のチラシが私たちを変えてしまった

たまたま我が家のポストに入っていた1枚のチラシ。いつもはほぼノールックでゴミ箱行きなのに、写真が可愛すぎたせいかチラシの内容に目が行った。

実際にポスティングされていたチラシがコレ。
出典:NPO法人キーアセットさん

チラシには「まずは話を聞いてみませんか?」の文言があり、気になった私たちは説明会に即申し込み!

説明会では「養育里親」と「特別養子縁組里親」の違いや、日本では里親の数が圧倒的に足りていない現状を教えてもらった。

出典:日本こども支援協会

養育里親は一時的に子どもの養育をする人で、2、3日しか預かることができなくても大丈夫とのことだった。

今、実の子を産んで育てる意思はないけれど、未来の子供たちのために何かしたいと思っていた私たちにはピッタリ!合計4日間の研修・実習と4回にわたる面談を終えて、無事に2022年3月私たちは里親となった。

これまでに9人の子どもが我が家へ来てくれた。それぞれの子が私たちにたくさんの学びを与えてくれて、新しい子が来るたびに成長させてもらっている。

「里親=子どもができない人のための制度」ではない!

「子どもはまだか、まだか」と騒ぎ立てていた周りの人たちは、私たちが里親になったことを伝えると様子が一変してしまった。

「最近は不妊治療する人も多いからね。養子でもいいよね!」

って……なんかおかしいぞ。触れてはいけない話題かのように扱うのやめてほしいのだが。

里親制度が不妊治療をする人の1つのオプションになることも大歓迎だけど、限定的ではなく、もっと誰にでも用意されているオプションなんだと思ってほしい。

里親になることは決して楽ではないし、誰でもやった方がいいなんて言う気はさらさらない!だけど制度を正しく理解すること、理解した上で敷居が低くなってくれたら嬉しい。

微力でも無力ではないと信じて…

2021年の自分の誕生日に実施したクラウドファンディング(※抱いている子どもは里子ではありません)

里子としてやって来る子の中には壮絶な環境で生まれてきた子もいる。その子を産んだお母さんもまた厳しい環境で育ってきていることが多く、事情を知れば知るほど自分には何もできないという無力感に襲われるのが現状。

「たった数日預かっても何になるんだ」
「この子が元の場所に戻ればまた同じじゃないか」

と短期で養育里親をやっている意味がわからなくなったことは何度もある。でもね、我が家に来てだんだん笑顔が増えてくる子どもたちの様子を見て私は腹をくくった!

「目の前の子どもと全力で遊んで、少しでも多く笑顔になってもらう!たった数日でも全力の愛を注ぐ!」

今の私たちにはそれしかできないけど、いつか大きくなって辛いことがあったとき思い出してくれたら嬉しい。誰だかわからないけどなんかすごい遊んでくれた人いたなーって。

我が家に来た里子ちゃん達がいつかこの記事にたどり着いてくれるという奇跡を信じて書いておこう!

この世に誕生してくれて、私たちに笑顔を振りまいてくれてありがとう。ほんの数日でも心の底からあなたのことを愛した人間がここにいるんだよー!ルール上私たちからコンタクトすることはできないけど、いつでも会いに来てくれたら全力で喜ぶよ!!

【養育里親に少しでも関心を持ってくれた方へ】
2021年にバースデードネーション(クラウドファンディングのようなもの)をして、里親制度の現状を少し書いているのでよかったら読んでみてください👇


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