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国際カップルはこうして出会う

現在の旦那と出会って10年。
結婚して5年。

ものすごく長い期間のようだけど、時間というのは経ってしまえばあっという間なものだ。
私たち夫婦は「普通」じゃないことがたくさんあって、周りの友人に語ると驚かれたり、笑われたりするエピソードがいくつもある。
noteを始めた記念に、私たち夫婦の珍体験を書き残していこうと思う。

異国のパーティー

私たちの出会いはカナダのバンクーバー。
貯金が目標金額に達成した、23歳の年に一人カナダに飛び立った私は、ワーキングホリデービザを使って悠々自適なバンクーバーライフを送っていた。
現地のパーティーで今の彼と出会うわけだが、ドラマで見るような美しい出会いとはかけ離れたものだった。

友人に誘われて向かったハウスパーティー。
当時フットワークの軽さだけがウリの私はどんなときも、声をかけれられたら大体出向く状態。
この日も特にパーティの趣旨や内容なんて聞かずに「オーケー」と言った私は、現地に到着して、激しく後悔することになる。


「え、外人ばっかじゃん。これ、ガチなやつじゃん…」
※カナダで外人は私のほうなのだが…日本にいる感覚がぬけずにいる私。


英語力ほぼゼロで日本を出た私は、重度のネイティブ英語アレルギーを発症していた。
一人でカナダに行くようなやつが何を言ってるんだと思われるかもしれないが、海外で語学学習をしたことがある人には、きっとわかってもらえるだろう。
入国後はすぐ現地の語学学校に入って英語の基礎を学ぶのが一般的となっているのだが、私ももれなくそのコースをたどっていた。
3か月間みっちり英語漬けになり、まったくわからなかった英語が聞き取れるようになる。(正確に言うと「聞き取れてる気がする」状態になる)
信じられないほど自信がつく3か月なのだ。

私のイメージ上での自分はこんな感じ。


しかし学校を卒業して一歩外に出ると、また別の国に来たのではないかというほど何を言っているのかわからなくなる。
つまり学校の中の友達、先生は「超わかりやすく話しかけてくれただけだったんだー」と気づかされる。
これに気づいたとき3か月で築き上げた自信は一気に崩壊して、その結果…
ネイティブ英語アレルギーを発症する。

救世主あらわる?!

これまで私が参加していたパーティーは日本人主催のものか、語学学校で出会った友達主催のものばかり。会話が成り立つパーティーにしか行っていなかった私は、先ほどのネイティブだらけのホームパーティーで絶望を味わうことになる。

とりあえず私をそのパーティーに誘ってくれた友達と一緒にいれば、友達は日本語で会話できるし、その場を切り抜けることができるだろうと思っていた。

そう思っていた…

そう…

私の友人は生粋のパーティー好き、お祭り野郎だということを忘れてた!
パーティー開始直後でお祭り野郎は”外人”たちの中ではしゃぎ始めていた。

パーティーで独りぼっちなんて… ぜ、つ、ぼ、おおおおおお!!!!

まる子ちゃんに出てきそうなどんよりモードを出していた私のもとに
救世主のように現れたのが、今の旦那様だ!

「元気?一回会ったことあるよね?」

えーーー!!!!もう誰だかよくわかんないけどありがとう!こんな私に声をかけてくれて!!
と心の中で叫びつつ、「あれ、どこでだっけ?」と冷静に返答。
質問を投げ続けていたら会話は終わらない。
会話が終わらなければ、私は独りじゃない。
そんな浅はかな考えをもった私は、狂ったように質問をしまくる。

会話は徐々に温まり始め、テーマは「旅」へと移っていった。

彼「次に旅に出るならどこ行きたい?」
私「次はオーストラリアにワーホリ行ってみたいな~」
彼「へー。俺はもう英語圏には興味ないんだよね。英語が通じない国に行ってみたい」

何気ない会話のようだが、私はこの会話で一気に彼への興味を失ってしまった。むしろ嫌悪感を抱いていた。
それは私の勘違いや自己肯定感の低さによるものなのだが。

ネガティブ女子の勘違い

当時の私は英語が最大のコンプレックス。
とにかく英語を話せるようになりたいと思う一方で、ネイティブ英語アレルギーなどと自分自身にレッテルを貼って英語から逃げている一面もあった。
英語を話せない自分、話せるようになりたいと思いつつ逃げてる自分、そんなダメな自分を認めることが怖くて他社否定に走っていた。
「英語できます風」の人が持つ自信が羨ましくて、鬱陶しい。

だから彼が言った「もう英語圏に興味ないんだよね」が「俺は英語の勉強十分やってペラペラになったからもう英語じゃないものに興味持ってます」って聞こえた。
自己肯定感の下がりきったネガティブ女子は怖い。
全然言ってない声が勝手に聞こえてきて、勝手に解釈してる。そして私は勝手にキレた。
うっざー!なんだコイツ!こうゆうやつに限って大したことないんだよねー。大体、親の金で留学させてもらってんだろ?!そこまで英語を勉強させてもらえた親に感謝しろ!

とまあ、勝手に自分で胸糞悪くした私は、次の日が早いことを言い訳にパーティーを後にした。

その後も彼と会うことはないだろうと思い、私をパーティーに連れ出した張本人であるお祭り野郎に悪口をぶちまけた。

あ~スッキリしたー!

溜まってたものを勢いよく吐き出した私にむかって、お祭り野郎が一言。

「あいつ、ネイティブのカナダ人だよ?」

えーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!
いやいやいやいや、最近日本からやってきた留学生かなんかじゃないの?!

実は彼は生まれも育ちもバンクーバー、生粋のカナダ人だというのだ。
両親は日本人で、若いころカナダに移民して彼を産んだ。いわゆる日系2世だった。現地ではジャパカナ(ジャパニーズカナディアン)と言われたりもする。
ジャパカナに出会ったことがなかった私は、彼のことを完全に日本の留学生(英語勉強中&親のすねをかじりまくってるという偏見つき)と思ってしまっていた。
さらに後日、本人から聞いたところ、高校生の時からずっとスペイン語を勉強していることが判明。
つまり彼は単純にもっとスペイン語を上達させたくて、スペイン語圏の国に住んでみたかっただけというオチ。

私の大きな勘違いでスタートした出会い。
このあと私は国際カップルのリアルを知ることになる…



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