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コロナで会社をクビになった私が「スキ」を叶え複業フリーランスになるまで

2020年10月、いつものようにテレワークをしていた。営業コンサルタントをしていた私は営業先に電話とメールが日課。「さあ今日もメールでも送りますか」と自分に気合をいれ、何気なくWindowsメールを開いた。

外資系企業のため社内のメールが英語で送られてくることは珍しくない。私がヒヤッとしたのは英語の長文メールが来ていたからではなく、送り主がCEOだったからだ。

「Sorry but I have to say good bye」の一文が目に飛び込んでくる。

グッバイ?誰が??!!

さよならを告げられたのが自分だと気づくまでに数分かかった……。

メールの最後には「もう今日から働かなくていいのでゆっくりしてください」と。

どのようにゆっくりしたらよろしいでしょうか。と返信しそうになる手を止めて一度深呼吸をした。


自分だけが落ちこぼれなんだと思えた

大好きな会社だっただけに数日間は自然と涙がこぼれた。旦那以外の誰とも話す気にならず引きこもり状態。辛く悲しい感情と同時にドラマの中の人物のようにも思えて、少しの興奮も感じていた。私の感情がメトロノームで表せたとしたらきっと右左に物凄いスピードで動いていただろう。

本格的に気分が落ち始めたのはクビ宣告を受けて2か月ほど経った頃だ。私と同様に解雇処分を受けたメンバー達が次々に新しいスタートを切りだしていた。

「あの子は○○っていう外資系企業に就職したらしいよ」
「あいつは日系大手企業に決まったって」

そんな噂が入ってくるたびに自分もどうにかして前に進まなくては!と焦った。手あたり次第、転職エージェントに登録して企業をリサーチをしてみる。しかし前職以上に心惹かれる企業がない。


私、本当は何がやりたいんだろう……。


この問いの答えを見つけたくて毎日毎日自分と対話した。
「どんな仕事をしたい?」
「逆にやりたくないこと、苦手なことは?」
「前職はなんでそんなに好きだったの?」
「自分の関心があることは何?」

そんな質問をぶつけていくうちに学生時代から考えていたことを思い出した。

「困っている人に自分というリソースを使って何かしたい」という漠然とした想いが昔からあったのに、心のすみっこに追いやってしまって忘れていた。
正確に言うと諦めていたんだと思う。以前、海外青年協力隊の活動に応募してみたものの、あっけなく書類落ちしたせいかもしれない。学歴も経験もない自分がNPOやNGO団体で働くなんてできないんだ。だから自分は誰かのために生きることはできないんだと。とんでもない飛躍をしてしまっていた。

時代も変わったことだし、今ならこんな私にも何かできることがあるのでは?と思いネットで見つけたオンラインサロンに入会。

「あの子たち」とは違う道を歩み始めて少しずつ自己肯定感が高まってきた

オンラインサロンで、あらゆる社会課題について学んでいくうちに少しずつ解像度が高まっていき「誰かのために」が「すべての子どものために」へと変わった。悲しむ子どもの姿は見たくない。子ども達に関わる課題を解決することをしていく!

そんな想いから子ども食堂でボランティアをしたり、ベビーシッターをしたり。まずは自分のできることから挑戦。

親御さんからの「ありがとう」の言葉や子ども達満面の笑みが自分に力を与える。私はスピーディーな転職をできなかったけど、こんな自分でも誰かの役に立てている。自分には何もないと思っているのは自分自身。もう少し私が「わたし」を応援してあげないと。

お金が必要という現実に向き合った結果、海外輸出事業で開業

私がサポートしたいと思う層の人たちは経済的に苦しい状況にあることが多い。お金をいただかずにサポートしていきます!と言いたいところだが、私だって生きていくにはお金が必要!

きっと頭のいい人は何かうまい仕組みを思いつくのだろうけど、私の小さな脳みそでは一生かけても難しそう。
ならば子ども支援は趣味としてライフワークに位置づけ。そしてライスワークとしてお金という実がなる木を育てることを決意した。

特別誇れる才能が何もない私でもできそうなことを探してみる。そしてたどり着いたのがeBay輸出という、やや怪しげな事業だった。就職するとライフワークに時間を費やせなくなるので個人で何かしようと考えていた。カナダで身につけた多少の英語力を維持したいこともあり、海外向けの仕事で選択肢を絞っていったらeBay輸出にたどり着いてしまった。

右も左もわからなかった為、開業資金だと自分に言い聞かせてコンサルタント代30万円を支払った。おかげさまで大きなトラブルに巻き込まれることなく売上を上げていった。

「外注化して自分は何もせずにボロ儲け」
そんなTwitter上のつぶやきを真に受けていた私は、これで好きなだけ子ども支援に時間を費やせると思った。最初は天職を見つけてしまったと騒いだのだが、現実はそう甘くなかった。

私にはうまく外注化ができず、結局自分に負担をかけて売上をつくる日々。大嫌いだった細かい作業も多く1年ほど経つ頃には、ため息が増えていた。

16万円の追加投資するも挫折。そして…

30万円というコンサル代が私の足枷となり新たな挑戦を阻む。好きじゃないけどこのまま輸出事業を続けていたっていいじゃないか。そうやって自分を説得し続けていたけど本当はとっくに気づいていた。自分、完全に飽きてるわーって。

知らず知らずに次の「スキ」を探してしまっていた。趣味で始めたサムネイル作りが楽しくて、デザインを学べるスクール情報を見ては目が留まる。口座を確認すると、ハローワークから半年間振り込まれたお金がまだ半分ほどそのまま残っていた。

迷っている時間に嫌気がさし、勢いとノリでシーライクスというキャリアスクールに入会。

輸出事業は好きになれなかったけど今度こそ!!

そう意気込んで始めたデザインの勉強は3か月で挫折した。せっかく少しずつ取り戻してきた自己肯定感が一気に急降下。

「あー自分って本当に何をやってもダメなんだ」と全力否定モード。自分を応援するなんて言ってたくせにね。

私の16万円を返せ!

輸出事業も完全ストップさせてデザインに取り組んでいたので、口座残高は減る一方。そんな現実がまた私を焦らせた。

「挫折しそうになったら、いろんなコースをつまみ食いして受講してみるといいですよ」

シーライクス退会の手続きをしようとしていた私にシーメイト(シーライクス会員)さんがアドバイスしてくれた。

そうだ!ハローワーク様が可哀そうな私にくれた16万円!大事に使わないといけない。というか元を取りたいっす!が本音。

シーライクスには30種類以上のコースが用意されており、なんとなくでライティングコースを選択して受講スタート。ライティングはPhotoshopのように使い方がわからず行き詰ることはない。1つ、また1つと課題提出をできる感覚が楽しかった。私が書いたライティング作品はこの世に1つしかないわけで、デザインで楽しみを感じたクリエイティビティが試される瞬間がライティングにもある。

ライティングもやり過ぎたら飽きた

なにこれ、楽しい!とライティングに夢中になり、シーライクスが開催しているライターコンペに応募したり、企業の案件に応募したり、書くことに専念した。

そして、またしてもやってきた。好奇心お化けと同居する飽き性お化けが……。2人のお化けが交互に顔を出すので、私の感情メトロノームがいつかぶっ壊れるのではないかと心配になる。飽き性お化けは私の自己肯定感をいつも下げていく。いい加減やめてくれ。

2人のお化けたちと上手く付き合う方法は1冊の本にすべて書かれていた

落ち込む私は、とある1冊の本に出合った。私は何も続けられないダメ野郎ではなかった!と気づかせてくれた本。

自分は1つのことを突き詰めるより、多数のことを同時に進めている方がごきげんに生きられるマルチポテンシャライトさんだったらしい。

ライティングだけじゃない、なんでも気になることに挑戦し続けていいんだ!そんなことを知れただけで推進力が倍増した!

思いのままに気になる仕事に申し込んでいった結果、肩書のわからないフリーランサーとなった。ライター/広報・PR/ベビーシッター/里親…スラッシュが増えていく感覚を今は楽しみながら人生を歩んでいる。

ライフワークとライスワークが結びつきあい、壮大な伏線回収がスタート

「誰かのためになること」をしたい、社会に貢献できる生き方がしたい。でもそれはライフワークであり、収入にはならないと思っていた。

それが今ではインタビューライティングのスキルを活かして、ソーシャルビジネス系のメディアで執筆させてもらっている。社会貢献でビジネスを成功させている起業家たちへインタビューし、執筆するのが仕事。

間接的ではあるものの、十分に「誰かのためになることをしたい」欲を満たしてくれている。

振り返ると、会社をクビになったからこそオンラインサロンに入り、本当にやりたいことに出会えたし、デザインに挫折したからライティングに出会えた。ライティングスキルがあったから書きたいメディアで執筆できている。

バラバラに散りばめられたドットが線で繋がっていくように、伏線が回収され始め、すべてに意味を感じてしまう。

挫折を味わうこと、意味のなさそうな出来事、それらに意味を持たせ、ドットを繋ぐには行動あるのみだと思う。真っ暗闇で前が見えなくても必死にもがき行動し続けたら、きっと自分で予想もしないような方向から光が差してくる。そんな気がするんだな。

これからも自分の「スキ」を信じて欲望のままに、仕事も自分の人生も冒険していきたい。

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