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#2 もう一度会いたい人、でももう二度と会えない人

#2  もう一度会いたい人、でももう二度と会えない人

つい先日のことです。ミーティング始めのアイスブレイク。「もし明日自分の世界が終わるならあなたは何する?」という話題。みんな、会いたい人に最後は会うだろうと。

ふと思ったんです。
会いたいと思った人に会うことができるってすごいことではないのかと。

みなさんは今、会いたい人っていますか? 家族や恋人、友人、お世話になった人など。それぞれたくさん選択肢があると思います。

僕にも今、会いたい人がいます。でも残念ながら、その人にはもう二度と会うことができません。僕がどう足掻こうと、どう行動しようと、神様に泣きすがろうと、決してその人にはもう二度と会うことはできません。大好きで大好きで、僕が尊敬してやまない人ですが、その人にはもう二度と会うことができません。

亡き父です。

自分が6歳の時に他界しました。あの日のことは、いつまでも忘れない。快晴の秋空の日の午後、病室で周りの大人たちに囲まれながら、二度と帰らない父親の側で泣きわめく若干6歳の少年。

もう二度と喋ることができない。もう二度と叱ってもらえない。もう二度と遊んでもらえない。もう二度と肩車をしてもらえない。もう二度と大好きなドライブに連れて行ってもらえない。もう二度と会うことができない

「どうして僕だけ...」

残された僕はそう考えるようになりました。どうして僕だけ父親参観日に1人なんだ。どうして僕だけ家に帰っても家族がいないんだ。どうして僕だけ小さい時から孤独を感じ、こんな苦労をしなくてはいけないんだ。どうして僕だけ...

14年経った今でも、そう考え、1人で涙を流す日もあります。ぼーっと空を眺めながら、気がついたら涙が出てる日もあります。夜、ベッドの中、滲んだ目で天井を眺めながら、悲しくなって、訳が分からなくなって、気がついたら朝。そんな日もあります。多分、これから一生涯1人で悩み考えては涙を流すでしょう。

でも結局はこれが僕の運命なんですよね。どうしようもないんです。受け入れるしかないんです、辛いのは確かですが。抗うことはできない運命なんですよね。


だからこそ今自分の周りにいてくれる人を大切にしたい

父と交わした最期の約束があります。母や姉といった残された家族、友達、周りにいてくれる人を大切にすること。周りに迷惑をかけないこと。一人前の男になって、支えてくれた人に恩返しすること。

たしかに、いつ自分の周りの人とのお別れが訪れるかわからない。だからこそ、別れの時に後悔しないように、いま周りにいてくれる人を大切にしようと。もう自分以外の誰かを、孤独で悲しませることがないように生きていこうと。父が6年間、僕のことを全力で愛してくれたように、今度は僕が自分の全てを犠牲にしてでも、周りの人を全力で愛し、幸せにできるように。

姉と母 僕の大切な家族


二度と会えないことは分かってる でも会いたい

残念ながら、父にもう一度だけ会いたいという僕の願望は叶わないでしょう。でも本当は最後にもう一度だけ会いたい。もう一度だけ会って、今までの苦労話をしたい。家族の話をしたい。今悩んでいることを相談したい。車の話をしたい。将来の話をしたい。ドライブに連れて行ってあげたい。一緒にお酒を飲みたい。一緒に笑いたい。

なによりも成人した僕の姿を見せたい...

叶わないのは分かっています。
もう二度と会えないことは分かっています。
だからこそ、最後に言わせてください。

僕は父さんに会いたい



みなさんには今、会いたい人はいますか?

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