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特別ではないけど、特別なもの
時間は流れていく。止めようにも止めることは出来ず、止めてしまったら止めたことすら認識できなくなるもの。なんでもない時間でも、それがかけがえのない時間であったことに気づくのは遠い未来のこと。
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秒単位で記憶を遡ることはできない。分単位でも、日単位でも、年単位でも、記憶は遠くなっていく。記憶を辿りようにも感情や理想が付与されて正確なものに辿りつけない。それを少しでも現実にあったこととして認識するために、写真や映像、音声はあるのだと思う。
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変わらない日々も変わっていく。花が咲いて朽ちていくように、始まりと終わりがそこかしこにある。何もかも同じ光景に出会うことは不可能で、それは当たり前のことだけど、それに気づける人は少ないように感じている。
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そこに居る時は特別ではない。ただ、そこにあるだけ。こうして並べている写真も、撮影した時は文章を添えるとも考えず、ただ目に映ったから切り取っただけ。
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これを残して何になるのか。自分には関係のない景色かもしれない。そんな考えはいつも頭の中にある。でも、積み重ねていけば自分の物語。特別じゃないものが特別になる瞬間は来る。何も残さず途方に暮れるより、雑多でも何か残したほうが足跡は残るものだ。
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