![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/110549779/rectangle_large_type_2_4186e43e4c3000d9c8912779d45ce142.png?width=800)
『日本橋魚市塲沿革紀要』を原典で読む Part 2: 日本橋魚市場の時代区分
歴史を見ていく上で、時代区分はあると便利です。そこで、日本橋魚市場の歴史(岡本信男, 木戸憲成 著) を参考に、日本橋魚市場の時代区分について自分の理解のためにも簡単にまとめておこうと思います。
(本シリーズも、読んでは書いてした方が頭に入るからという趣旨でやっているところがあり)
日本橋魚市場の時代区分について、1954年に「日本橋魚市場発祥の地・記念碑建立に寄せて」という小冊子で掲載されました(現在もこの石碑はあります)。そこでは歴史の過程を五段回に分類しています。
![](https://assets.st-note.com/img/1688891506787-NjkVgJeRaO.png?width=1200)
(岡本らの資料を元に筆者作成)
①草創期
慶長九年(1604)〜寛永末年(1644)の40年ほどを指します。慶長九年は、森孫右衛門たちが徳川将軍のお世継ぎ生誕祝いに魚を納めたという、魚市場の年代を確定しうる最初の事項からきていると言われています。
②躍進期
寛永末年(1644)〜寛文期までの約30年間が躍進期とされました(Part. 3以降詳述)
③隆昌期
延宝(1673年〜)期から享保期、つまりは元禄の時代を中心とした60年あまりが隆昌期とされました。享保といえば、享保の改革で有名な徳川吉宗様ですね。
④安定期
寛保期〜寛政期の最初にわたる約60年間が安定期とされました。
(ただし、③から④の移行について、元の資料では6年ほど期間を飛ばして記載しているため、正確な期間については議論の余地があります)
⑤受難期
寛政四年〜慶応末年までの約70年間が受難期です。江戸時代の終わりから明治の時代に移るまでの経緯含め、後々のPartで記載します。
日本橋魚市場に関する話が出たとき、それがこれら5つのうちのどの期間に起こったことなのかを把握することで理解の助けになると思います。
一方、日本橋魚市場の歴史(岡本信男, 木戸憲成 著) では、独自に江戸お討ち入りから1990年までを100年単位の区切りで作成した時代区分も発表されています。こちらはまた、追々。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?