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蘇秦の弱者への説得術

鬼谷子のいう揣摩は良からぬ企みということではなく、相手の心理を具体的に推測するというものでした。

つまり、対人兵法ということであり、相手を知り、己を知れば勝つという孫子の教えそのものです。

世は戦国時代となり、弱肉強食だったこともあり、140あまりあったはずの国はどんどん減り最終的には秦が統一します。

まだ、戦国時代で七雄の時代には蘇秦は巨大な秦に対抗するために、残りの6ヶ国が手を結ぶ合従の策を進めました。

中規模の国だったには、大国の秦とは共存できないと説得しました。
両雄並び立たずと言いますが、斉が強くなれば秦が弱まり、その逆も然りです。
いつかは戦わなければならなくなりますから、他の小国と手を結び秦を牽制することが大切と説得しました。

下手に秦と手を組めば領土を差し出さなければならなくなりますが、小さい国と組めば、小国は貢物を献上してくれるのでますます斉は強くなれるというメリットもありました。

秦が小国を取り込む前に、斉は小国と手を結ばなければならないという緊急性も添えて説得するのです。

小国に対しては、秦の侵略が迫っていて、もはや国としては風前の灯なのだから、斉を中心とし、手を結ぶ必要があると説得しました。
秦と手を組んで領土を差し出せば、さらに秦は強くなってしまうので、より大きなリスクになるという牽制も一緒に行いました。

説得というのは相手によって全くアプローチが変わります。
同じことであっても言い方が中規模の国と小国の言い回しを逆にしてしまえば火に油を注ぎかねません。
見えない世界が分かり、相手を知ることができるとこのように現実的な面においても有効ですよ。


これからも良い記事を書いていきます。