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古代中国の自然観測技術は凄かった

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中国の古い思想は、自然観測を元にして成り立っています。


今回は、中国の自然観測がいかに優れたものであったかを説明するために、古典に書かれた「宇宙の創世」についてお話いたします。

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中国で発展した四柱推命などの占術は、宇宙の要素や法則を人間に当てはめたものといわれます。


四柱推命の「原書」といわれている重要な本は、「三命通会」「渕海子平」「滴天髄」「窮通宝鑑」「子平神詮」「神峯通考」「命理約言」などがあげられます。



中でも最も古い原書の一つである「三命通会」は、1500年代に書かれていますが、なんと宇宙の成り立ちに言及した一節があります。


宇宙は初めに混沌とした。
光の海であった。
その海には陰陽もなく境となるものもなかった。
これ「太易」の始めである。


光の海とは、洒落た表現ですね。
これはビックバンの直後の状態を表現しているものと思われます。

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そして、その後宇宙はまず陰陽に分かれたといわれています。
ここが宇宙の「太初」の時です。



その後、様々な物質が生まれ、銀河系や太陽系に分かれていきました。
ここが宇宙の「太始」の時です。



地球では、諸々の五行の元素が生まれました。
これは「太素」といわれます。

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宇宙は、太易の時代から、太初、太始、太素の時代を経て、長い長い時間をかけて、ようやく人間が生活できるような環境が生まれてきたと、中国の古典には書かれています。


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「三命通会」が書かれた16世期というと、日本は室町時代、ヨーロッパはルネサンス期です。欧州では「宇宙は地球を中心として回っている」と考えられていた時代です。

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中国では、少なくとも1500年代にはすでに現代の宇宙科学とほぼ同様の解釈で宇宙を理解していたのです。

「太素」を表す五行論は、今から4000年前には成立していたともいわれます。中国の自然観測技術に驚愕します。


古代の中国人は、このように正確な自然観測に基づいて物事を考えました。

そして、人間も自然の一部であるから、宇宙の要素や法則が当てはまるだろうと発想します。こうして中国の思想は発展していきました。



三命通会 原造化之始 一部抜粋

《老子》曰:无名天地之始,有名万物之母;有物混成,先天地生。

列御寇曰:有形生于无形。天地之初有太易、有太初、有太始、有太素。太易者,未见炁。太初者,炁之始。太始者,形之始。太素者,质之始。 与形,质合而未离,曰浑沦。

《历纪》云:未有天地之时,混沌如鸡子,溟滓始芽,鸿蒙滋萌。


自然哲学も物事の予知には大きく使える知識です。これらの知識がベースになって各種占術や宗教が生まれました。物事の根本を学んでいきたい方は、一緒に頑張りましょう。


これからも良い記事を書いていきます。