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雨月物語の魂

上田秋成さまの雨月物語はとても怪異性の高い作品です。

赤穴宗右衛門という武士は病になり、学者の丈部左門から看護を受けていました。
そんなこともあり、宗右衛門と左門は義兄弟のちぎりを結びます。

時が経ち、別れの際に、重陽の佳節に再会する約束をしたのでした。
しかし、宗右衛門は郷里で幽閉されてしまい、約束を果たすのが難しくなってしまいました。

宗右衛門は約束の日になり、約束を果たそうとします。
なんと、自害して魂となって左門と再会の約束を果たしました。

悲劇の全てを知った左門は、宗右衛門の無念を晴らすのでした。

この宗右衛門の魂というのは生き霊のことなのです。

つまり、宗右衛門の無念と残念という念が義兄の左門のところに鮮やかに出現し、固く結ばれた因縁の恐ろしさを思い知らせるのです。

固い絆で結ばれた因果と友情というものを犯す封建社会への歪みに対して上田秋成は激怒しているということがこの話の魂と言えますね。

当たり前という言葉は恐ろしいものです。
このような固い絆さえも、無視してしまいます。
現代社会においても、不思議な当たり前が沢山ある様に思います。
見えない世界を大事にしないという当たり前は非常に危険と言えるでしょう。
そういう力が断絶する前に、学んで未来に引き継いでいきましょう。


これからも良い記事を書いていきます。