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大日経概論

密教にて第一にあげられる経典は大日経です。

特に体系だってなかった頃の呪術的な儀式や瞑想を仏教の思想で意味付けて成仏を目的とするように構成しました。

ちなみに、大日経の正式な名前は大毘盧遮那成仏神変加持経です。

7世紀の初期に西インドで成立し、中国にやってきました。

空海は久米寺でこれを発見して心を打たれ入唐求法の旅に出たと言います。

大日経は他の大乗仏教とは違いがあります。
それは大日如来が説き手であるということです。
仏教の経典は普通なら釈迦が説法するものです。
つまり、ここでは釈迦がお話になった歴史の話ではなく、時間と空間を超越したところから大日如来が話を説かれているわけです。

大日経は2つに分けられます。
第1巻の理論部門と第2巻以降の実修部門です。

理論部門では仏の知恵、つまり悟りについて語られています。
悟りは、絶対的な慈愛であり、利他のために発揮されるようになったと大日如来は語ります。
悟りを完成するための活動に意義があるということです。

実修部門では実践編として密教の儀礼が解説されています。
胎蔵界曼荼羅の描き方はもちろんのこと、加行や灌頂など様々なことが書かれています。
代表的なものとしては大日如来を象徴するサンスクリット語の5つの文字を体の5箇所に書いて、仏と自分の体の一体化を図る五字厳身観などがあります。
そのような60を超える様々な方法が記されています。

代表的な経典に多くのことが記されておりますが、これだけ歴史があるにも関わらず、オカルトで片付けられてしまいます。
見えない世界というものはそれだけ隠したいのでしょう。
伝統的なやり方に即した学びに興味のある人は是非一緒に頑張りましょう。


これからも良い記事を書いていきます。