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冥府への橋

京都の観光地である晴明神社の目の前の話です。

そこにあるのが一条戻橋です。
この橋には奇怪な伝説が沢山あります。

そもそも戻橋という名前ですが、これは僧の浄蔵が熊野にいたときに、父の清行が重病となって、急いで戻るも間に合いませんでした。
ちょうど橋の上で葬儀の列と出会いました。
浄蔵は加持を行い父を蘇らせたのです。
父である清行があの世から戻ってきたので、戻橋という名がつきました。

平家物語の伝説としては渡辺綱が使いで一条大宮まで出かけた帰り道のことでした。

戻橋で美女と出会い五条の家まで送って欲しいと頼まれたのです。
綱は美女を馬に乗せたのですが、女は鬼と化しました。
綱の髪をつかんで空を飛んだので、名刀の髭切で鬼の腕を切り落としました。
鬼は片腕を失ったままそのまま飛んでいきました。
綱は主人の源頼光に相談しました。
しかし、相手が鬼なので安倍晴明に相談したのです。

晴明のアドバイスにより、頼光は鬼の手を朱櫃に封印し、7日の間、仁王経を読誦しました。
すると頼光の母親に化けた鬼が腕を取り返しにきました。
腕は取り返したものの、鬼の首を切りつけたことで、鬼は逃げ去りました。

源平盛衰記には、安倍晴明は戻橋の下で式神を呼び出していたと書かれています。
なんと、奥様が式神の顔を恐れたからだそうです。

また、この橋で占いをすると式神が口に乗り移って善悪を示すなんて話もあります。

橋一つとっても見えない世界が広がっているというのは興味深いことですね。
物事の背景には見えない世界があるということです。
そういうものを学んでいくことで力を磨くことにもつながりますよ。


これからも良い記事を書いていきます。