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日蔵のトランス

生と死の境で日蔵は菅原道真から怨霊について聞きました。

目を覚ました後も不思議なことが起こりました。

再び蔵王権現に導かれて弥勒の住まいである兜率天に登り、天の音楽で弥勒を供養したのです。

京都の松尾社で21日間の行に入った際には毘婆尸仏の顕現を見ました。

土の中にある鈴杵を霊視して掘り出したこともありました。
何と前世の自分が埋めておいたものだったとのことです。

厳しい修行を金峰山で行い、身体から魂が一時的に離れ、度々、幽明界で神々との交流や託宣を得られたのです。

まさに役小角以来の生きた密教の体現者と言えるでしょう。

日蔵は不思議なことを行った後は室生山龍門寺で過ごし、985年に亡くなりました。
享年は100歳を超える長寿で、当時の平均寿命を考慮すれば奇跡的と言えるでしょう。
これだけのスキルの持ち主ですから、道教の不老長生術によるものだろうとは思いますけどね。
亡くなった際も尸解仙という状況であり、肉体を脱ぎ捨てて仙界に入ったのだろうということです。

日蔵は大変な修行の果てに見えない世界とこの世界を行き来していました。
そういう世界は存在するということですし、遅かれ早かれ誰しも死を迎えますから、皆さまに取っても他人事ではありません。
見えない世界について関心があるようでしたらこの機会にぜひ一緒に学んでいきましょう。


これからも良い記事を書いていきます。