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天狗と神々

天狗の業というものは色々と課題のある外法なわけですが、そもそもどうして外法になったのでしょうか。

これのルーツはインドの鬼女であるダキニ天に由来します。

元々ジャッカルの精だったのですが、ジャッカルの見た目が狐に似ていますから、稲荷などの狐信仰と融合して日本ではポジションを確立しました。

元々天狗は天狐でしたから、狐というつながりから、天狗とダキニ天が混同されていくようになったのです。

福岡の宝満山では、十一面観音、毘沙門天、ダキニ天が祀られていますが、実はダキニ天は、天狗である飯縄明神でした。

金比羅大権現においても天狗を祀っているケースはありますが、これはワニの神であるために、水を抑えている立場なのですが、波などは風によって起こされるため、風を操る天狗も祀られているのです。

龍と天狗の仲の悪さというエピソードもあります。
天狗が、四国の満濃池で蛇に化けてくつろいでいた龍をさらって岩屋に閉じ込めたことがありました。

岩屋には僧侶も閉じ込められており、僧から水をもらって龍に戻ってその天狗を京都で蹴り殺したというのです。

これはインドの龍とカルラの敵対関係がそのまま日本に伝わってきたわけです。

今回のは随分弱い天狗かと思いきやその正体はカルラではなく、鷲だったのですが。
カルラは龍を飲み込む大怪鳥ですから、八大龍王クラスでなければ、戦えません。
飯縄明神のモデルにもなったカルラが蹴り殺されたりしませんからね。

いずれにせよ爬虫類のイメージがある龍と、猛禽類のイメージがある天狗が仲良いわけありませんね。

上級の天狗はそれほどまでに強いという話は菩薩にも化けられるというのがありました。

三修禅寺という僧が念仏に明け暮れていたところ、観音様に化けた天狗に殺されてしまうのです。
天狗絵巻に蓮台に乗った僧侶を捧げて飛んでいく絵もありますが、その由来になった事件です。

天狗も数々の逸話を残しますが、それらには背景というものがあります。
科学一辺倒の現代において、背景のことを知ることは変な目で見られない1番の方法だと言えると思いますから、見えない世界のことをやるには、そういう部分もきっちりやりましょう。


これからも良い記事を書いていきます。