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役小角、島流しの皮肉な結果

多くのならずものも受け入れて修行に明け暮れていた小角でしたが、弟子の韓国連広足に裏切られ、あること無いことを朝廷に密告されてしまいます。

朝廷はならずものを受け入れていた小角をかねてからマークしていましたから、ここぞとばかりに軍を葛城山に派遣します。
とはいえ、地の利があることに加え、孔雀明王の秘法を使いこなす小角ですから、朝廷は苦戦しました。

そこで、朝廷は小角の母である白専女を人質にし、小角を降伏させたのです。

小角は流刑にされるわけですが、これこそが小角の名声を高めることになったのは大きな皮肉でした。

島へ行く船は暴風雨に遭ったものの、孔雀明王の法により、海を鎮めたことで沈没の難を逃れました。

伊豆大島に送られてしまったわけですが、夜になると富士山に火の行列が虚空の彼方に消えていくのが見えたそうです。
実は小角は毎晩富士山まで飛んでいき、富士山で修行していました。
空を飛べる時点で、島流しの意味はほとんどありませんね。

これだけのことができるのですから、伊豆大島でも多くの術で民を助け、慕われていくのです。
役人は相変わらず邪魔ばかりするので、ついに小角が本気を出しました。
多くの人が見ている前で複数の巨大な岩を宙に上げ1時間に亘って空中乱舞させたのです。

もはや誰もが度肝を抜いたとしか言いようがありませんでした。

小角は富士山だけでなく、関東や東北地方各地の霊山を飛んで訪ね、修行を重ねていきました。

島流しという憂き目にあいながらも、最期に天に昇っていくまで、修験道が全国を知らしめていく結果となったのです。

歴史の話ではありますが現代でも相似形の問題が起こっています。
小角の力を政府を恐れたのと同じ、特殊な力は一般人から疎まれてしまうのです。
そんなしがらみのせいで力を発揮できない方も多いのが現状でしたから、ロジックも併せて学ぶことでそうした好奇の目を退けることはできないかと活動を続けています。
さらなる研鑽に興味のある方はぜひ一緒に頑張りましょう。


これからも良い記事を書いていきます。