東洋の王の本質
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殷の時代から、王は北に座り、南の部下だけでなく、神にも対面していました。
神権政治というものは、すなわち神の意志を民に伝えるということで、王という存在は神の代行者でした。
つまり、王は現人神なのです。
神と王様が分離し、神の名の下に王となる西洋とは完全に違い、東洋の場合は神の仲間入りを果たすことで神そのものになります。
日本も天皇陛下を現人神として長く扱ってきましたが、その発想が遠い古代中国から続いてきたのは、まさに東洋全体にそのような特色があったということでしょう。
この思想は宗教にも大きな影響を与えました。
東洋において宗教は王が代行して伝えているわけですから、どのような神の教えも王を超えることはあり得なかったのです。王が現人神として、天の神から教えを預かっているのですから当然と言えば当然です。
王を通して神の教えがあり、王無しの神の教えは存在しませんでした。
もちろん神の代行者ですから、自ら天意をうかがい、天の神々を祭り、神から預かった現世の大地をその責任として守りました。
このように今の思想も過去に遡ることで、その背景を知ることができます。背景を知るというのは納得感においてとても重要です。
見えないものにおいても、背景を知るとかなり納得感が深まりますから、興味のある方は一緒に学びましょう。
これからも良い記事を書いていきます。