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明治維新を引き起こした気の力

幕末の歴史が好きな方も多いでしょう。
江戸徳川幕府という強大な相手に対して、薩長連合軍が破竹の勢いで歴史を塗り替えていきました。

確かに明治時代になり、日本の見えない世界というものは大きく打撃を受けました。

しかし、この歴史を大きく塗り替えた維新自体にも見えない力が大きく関わっていました
幕末の志士たちは気の力を用いていたのです。

明治維新の立役者として吉田松陰の存在は大きかったのはご存知のことでしょう。

わずか1年9ヶ月という短い期間の小さな学び舎である松下村塾で、どれだけの歴史の偉人が輩出されたのかと考えると、歴史に与えた影響は計り知れません。

その吉田松陰の師匠というのが、水戸藩の儒学者である藤田東湖でした。

藤田東湖が重視したのが人心の正気というものです。
気迫、気概、気力のことです。

そして、東湖が作った詩こそが、正気の歌です。
もともとは中国の文天祥が作ったものですが、それの日本版とも言える凄まじい歌です。
幕末の政治闘争に巻き込まれた東湖は謹慎となり、狭い部屋に幽閉されておりました。
そんな折に作られたのが正気の歌です。
日本の美しさや歴史上に出てくる正気の場面を詠んだ歌でした。
(YouTubeでも読み上げています。)

天地正大氣
粹然鍾神州
秀爲不二嶽
巍巍聳千秋
注爲大瀛水
洋洋環八洲
發爲萬朶櫻
衆芳難與儔
凝爲百錬鐵
鋭利可割鍪
藎臣皆熊羆
武夫盡好仇
神州孰君臨
萬古仰天皇
皇風洽六合
明德侔大陽
不世無汚隆
正氣時放光
乃參大連議
侃侃排瞿曇
乃助明主斷
燄燄焚伽藍
中郞嘗用之
宗社磐石安
淸丸嘗用之
妖僧肝膽寒
忽揮龍口劍
虜使頭足分
忽起西海颶
怒濤殱胡氛
志賀月明夜
陽爲鳳輦巡
芳野戰酣日
又代帝子屯
或投鎌倉窟
憂憤正愪愪
或伴櫻井驛
遺訓何殷勤
或守伏見城
一身當萬軍
或殉天目山
幽囚不忘君
承平二百歳
斯氣常獲伸
然當其鬱屈
生四十七人
乃知人雖亡
英靈未嘗泯
長在天地間
凛然敍彜倫
孰能扶持之
卓立東海濱
忠誠尊皇室
孝敬事天神
修文兼奮武
誓欲淸胡塵
一朝天歩艱
邦君身先淪
頑鈍不知機
罪戻及孤臣
孤臣困葛藟
君冤向誰陳
孤子遠墳墓
何以報先親
荏苒二周星
獨有斯氣隨
嗟予雖萬死
豈忍與汝離
屈伸付天地
生死又何疑
生當雪君冤
復見張四維
死爲忠義鬼
極天護皇基

五言七十四句とかなり長いにも関わらず、幕末の志士たちは皆がこれを覚えていたと言います。
言うならば明治維新を進めて成功に導いた歌とも言えるでしょう。
この歌が志士たちの気力や気迫を高めることになったのです。

気などの見えない力は歴史をも動かします。
おかしなことが多いと思っている人も多いでしょう。
多くの人が正気を持ってそのおかしな世の中に向き合えば何でも変えられます。
気力を強くしたいと思う方はぜひ一緒に頑張りましょう。


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