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【卓球】デビュー戦で番狂わせ起こし、勝ったはなしー関東学生リーグ戦2部にてー

大学1年生のはなし。たしか秋季関東学生リーグ戦だったと思う。(ネット上に記録が残っていないので、春季だったらすみません。)

当時、筑波大体育会卓球部男子は、スポーツ推薦の選手が、僕含めて4名だった。リーグ戦は、6シングルス1ダブルスの6名で戦う。その為、残り2名は、一般入部の選手が出場することになる。(一般入部の部員は一般生と呼んでいた。)


秋季リーグ2戦目、法政大戦。僕は春季に続きトップの1番で、三澤君に負けた。三澤君は、リーグ戦で通算0勝3敗の天敵だった。

何番か覚えていないが、確か2番か3番の前半だったと思う。同級生で一般生の布留川君がリーグ戦デビューを果たした。

布留川君は、千葉の成東高校出身、千葉の公立高校で1番になったことがあったと記憶している。千葉県での最高成績は知らないのだが、兵庫県であれば、ベスト16くらいの実力だったと思う。

戦型は中ペンのペン表で、スマッシュのパンチ力は無いが、きっちりボールを入れることが出来て、ミスが少ないのが特徴だ。そして、フォア側からサーブを出したりして、技術自体の特徴は無いのだが、少しトリッキーな戦術を使う選手だった。

その布留川君の対戦相手は、同じ1年生で、リーグデビュー戦の松尾君だ。戦型は日ペンのペンドラ。京都のスイトピア出身で、中学時代から川西オープン等で、よく対戦していた。

その後、京都の東山高校に行く。インターハイで団体メンバーにはなれなかったが、1年生と3年生の時にダブルスでインターハイに出場している。ちなみに京都の出場枠はわずか2ペアだ。

このように、実績から見ると圧倒的に松尾君有利。両方の実力を分かっている僕は、「普通にやれば松尾。でも、お互いデビュー戦で緊張するので、布留川が実力を出し切って、松尾がビビればチャンスあるね」という戦前の予想をしていた。

結果は、題名で既にわかると思うが、布留川君が勝った。3-0か3-1だったと思う。接戦にはならず、終始布留川君ペースで試合が進んだような記憶がある。


どのようにして、布留川君が勝ったかというと、先制パンチを食らわして、相手が調子を出す前に勝ったのだ。

全国で活躍した選手しか出られない関東学生リーグのデビュー戦。インターハイに出ていない選手は、普通であればド緊張する試合。

そんな中、布留川君は、一発目のサーブで、フォア側に構え相手のフォアにロングサーブを出したのだ。

サービスエースだったかどうかは忘れたが、相手に強いインパクトを与え、とにかく先制点を取った。

ベンチで見ていた僕はびっくりした。「ここで一発目にそれ出せるの!?」そして、「もしかしてチャンスあるかも」と思ったのを覚えている。

松尾君も緊張している場面で、初っ端にそんなのを食らった為、ペースを掴むことに失敗し、結局挽回することが出来なかった。


先制パンチを食らわしても、その後相手に挽回されることはよくある。しかし、布留川君は戦術はトリッキーだが、技術的な特徴は無く、ミスが少ないのが特徴だ。

相手としては、なんとか入れても簡単にミスしてくれないので、自分で得点を取りに行かなくてはいけない。松尾君はペンドラだったので、安定度を高めつつ、得点を取りにいくプレーに上手く修正できなかった。

これが、シェークで両ハンドを使えれば、ラリー戦に持って行き、粘りながら活路を見出すことが出来たかもしれない。


後日談だが、1本目にフォアからロングサーブを出したのは、先輩である森門さんの指示だったらしい。森門さんも東山出身で、松尾君とは1年間被っている。つまり、森門さんも、両者の実力を知っていたということになる。

森門さんは布留川君に「普通にやっても勝てないでしょ?」「だったらフォアからロングサーブ出しなよ」「しかも、絶対に!1発目から、フォアからロングサーブ出せよ」と指示をしたらしい。

布留川君もこの指示に驚いたらしいが、「そりゃそうだな」と思い、勇気を出して、先制パンチ攻撃を実践し結果的に勝てたのだ。

実践して勝利した布留川君、試合前にアドバイスした森門さん、どちらも素晴らしいではないか。

その後、布留川君は、リーグ戦では、通算3試合に出場し1勝2敗。2試合目で、国学院の田島君に2-0リードから負けたのは本当にもったいなかった。↓



このように、弱者が強者に勝つには、勇気をもってチャレンジをしないといけない。僕も強い相手に対しては、リスク追って攻めたり、得意でないけど相手の苦手なプレーを優先したりしたことはある。

結果は、上手くハマったら勝てるし、大半は実力通り負けてしまう。しかし、なにもやらず普通のプレーをして、実力通りの結果になってしまうのであれば、勝負して少しでも可能性を高めた方が良いじゃないか。


日曜の午後、大好きなアタック25で、慎重に行き過ぎて、なかなかパネルを取れない回答者を見て、ふと思い出したのだ。

卓球もアタック25も、勝負する場面、慎重に行く場面、プレーをコントロールできる人は強いと思った、曇り空の日曜日だった。


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