くるり と僕の相性

SNSを見ていると、スマホが「これとか興味あるでしょ？」という感じで広告を挟んで来る。気になったのは、そのまま見たり、クリックしている。

インスタのストーリーズを見ていると、くるり が出てきた。広告はライブ動画でめちゃくちゃ心地よい曲を歌っていた。その曲はわずか3秒程で、次の曲になった。次の曲は気にならなかったのでスキップした。

翌日、またくるりが出てきた。相変わらず最初の3秒がめちゃくちゃ良い。見ると「愛の太陽EP」と書いてある。前回よりも長めに広告を見てスキップした。

これを書く前、EPが良く分からず調べると、明確な基準は無く、曲数がシングルとアルバムの間みたいなもの、とざっくりとした解説しかなかった。確かに曲数は6曲だから、シングルとアルバムの間だ。

愛の太陽 EP [初回限定盤B] [2CD + DVD]

また翌日もくるりが出てきた。どうやら、くるりにロックオンされたようだ。僕はくるりを熱心に聞いたことは無い。学生時代に「くるり聞いた方がいいよな」と思い、なんとなくランダムで聞いたことがあるくらいだ。その為、今回初めてくるりと接点を持ったような気がした。

ちなみに、一番好きな曲は「赤い電車」 聞いた瞬間、気に入って何度も繰り返し聞いていた。

くるりが僕のことを見てくれているので、僕もくるりのことを見なければいけないと思い、あの3秒で終わるめちゃくちゃ心地よい曲を調べてみることにした。

Youtubeで「愛の太陽」と検索。トレーラーが出てきて6曲が流れてきた。6曲を聞いても、めちゃくちゃ心地よい曲は出てこなかったので、タイムマシーン3号のYoutubeチャンネルを見ることにした。

翌日、インスタを開くとくるりが出てきた。「せっかくなんだから俺らを見てくれよ」と岸田繁が言ってきているように感じ、もう一度調べることにした。

「トレーラーだとダイジェストだから聞き逃したのかもしれないな」と思い、Spotifyで「愛の太陽 EP」と検索。6曲をちょっとずつスキップしながら聞いたが、めちゃくちゃ心地よい曲は無かった。

「ごめんなさい、くるりとは縁がないようでして、僕の中では、赤い電車、ばらの花、ワンダーフォーゲル、ワールズエンド・スーパーノヴァ、JUBILEE までで、これ以上くるりを聞けないです」と心の中で岸田繁に謝った。

そして数日が過ぎ、ふとくるりが気になった。岸田繁が現れて「せっかくだからもう一回向き合ってくれよ。君はアジカン好きなんだろ？同じボーカルメガネバンドとして、くるり聞いてくれよ」と言われたわけではない。しかし、くるりが気になったのだ。「もしや」と思い、インスタを開いたが、くるりは出て来なかった。

ここまで来たら調べてやろうと思い、「くるり　愛の太陽」とGoogleに打ち込む。調べるとCDの6曲だけでなく、初回限定盤には
①くるりライブツアー2022 at Zepp Haneda, 2022.08.04
②京都音楽博覧会2022 at 京都梅小路公園, 2022.10.09
のライブ動画を含まれていることを知った。

ライブの曲を一曲ずつコピペしてSpotifyで検索する。先に①を検索してみたが、全9曲全て外れだった。諦めず②を検索すると5曲目でヒットした！時間短縮の為、サビあたりから聞いていたのだが、最初から聞いてみることにした。

「おいおい最初からいいじゃねえか。ん？女性の声が聞こえるな」と気付き、曲を止めGoogleで検索するが、知らない女性だった。「どんな人なんだろう」と思い、次はYoutubeで検索すると、くるりの公式チャンネルでライブ動画がアップされていた。「やった！」と早速見るも、「やっぱわかんないや。ん、ラップあるのか、えー岸田繁老けたなぁ」と思う。

このようにやっと出会えた曲は、琥珀色の街、上海蟹の朝 という「なんだか小説みたいだな」という曲名だった。

Youtubeで聞いた後、Spotifyで聞き直す。めちゃくちゃ心地よいと思ったのはサビの部分で、よく聞くと「上海蟹食べたい、小籠包じゃ足りない」と歌っていた。なんだか拍子抜けしたが、元々歌詞で共感しないタイプなので問題ない。

「ちゃんと見つかって良かった」満足感に浸り、Spotifyで、くるりをクリックして、くるりのトップページに飛んだ。Spotifyでは、一番上に人気曲が1番から表示される。なんとなく見ると、人気曲1番は、琥珀色の街、上海蟹の朝 と表示されていた。

「は？ここにあったの？ばらの花よりも人気なの？」と疑問を抱いたが、しっかりとくるり唯一の1,000万回再生越えを表示していた。

「なんだよ、俺の時間返してくれよ」という悔しい気持ちと、「せっかく良い曲をたまたま見つけた！と思って喜んでいたのに一番人気だったのかよ…」と悲しい気持ちになってしまった。

「こういう現象って、灯台下暗しで合ってるのかな？」と思い、くるりのことは忘れて、灯台下暗し で検索をスタートした。

どうやら僕とくるりの相性は良くないようだ。