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最終契約書で注意する点

こんにちは。ユニコンの照井です。

前回は、DD後の調整って何をするのかということを記載しました。

DD後調整が終わると最終契約書の締結へと進む。
ここまでくるとほっと一息つけるが、ただ、もう一山ある。
それは、契約書に入れる文言についてそれぞれの思惑がでるからだ。

最終契約書の中で特に重要なことは、表明保証とよばれる項目だ。
(もちろん他の項目も重要になるが、特に売主が注意してみるべきは
ここになる。)

表明保証とは、言葉の通り、表明したことを保証するということである。

表明保証に主に入るのが、

○売主が株式を所有していること、登記されている以外のストックオプションや新株予約権、担保権が設定されていないこと

○財務諸表、計算書類が適正適法に作成されていること

○簿外債務、偶発債務が存在しないこと(DDで存在を確認されたもの以外)

○労組問題、社会保険料の未払い、残業代の未払いなど人事問題が存在しないこと(DDで存在を確認されたもの以外)

○取引先との契約における債務不履行が存在しないこと

○法令違反、訴訟係属など紛争に関する事項のないこと

以上のようなことを表明保証する。これに対して、除外項目などを契約書に盛り込むことになる。たとえば事前に、DDによって明らかになっていることについては、すでにそれをもとに株価などに反映などしている場合は、それを除外したりする。

表明保証違反した場合は、損害賠償請求されることになる。そこで売主はテクニック的には、そこにキャップをはめる規定をいれるべきである。
例えば、売主が本件で得られる金額を上限とするやその〇%を上限とするという形である。

そうすることで責任を限定することができる。このあたりは、仲介会社と相談したうえで顧問弁護士にその項目について相談すべきである。
弁護士も慣れていない先生などは見落としがちなのであらためて伝えたほうがベストである。

上記の他、COC項目やクロージング条項などが規定されることになるがこの辺りも売主の責任でどこまでを負うべきかということをしっかりと規定したほうがベストである。これも上記と同じであるが仲介者、弁護士と相談のうえで交渉したほうが良い項目になる。

契約書は専門用語も多いので、自身で把握するのは大変だが必ず目を通すこと、仲介者、専門家に必ず色々と相談してほしい。

ベテランの仲介者であれば、このあたりについて、率直にアドバイスをくれると思うし、確認ポイントを一緒に専門家(弁護士)にも確認してくれると思う。

そしてこれら一つ一つを買主と交渉しながらクリアしていき、契約に至る。
ただ、ここで大事なことは、契約書の重箱の隅をつつくよりも自身として譲れないポイントを交渉していくということである。

よくあるのは、あまり重要ではない点にこだわったり、問題になる可能性が低い点で争うことで買主との関係がこじれ、そもそものディールがうまく進まないということがある。

だからこそ、繰り返しになるが、仲介者と専門家とよく相談しながら契約書チェックをしてほしいと思う。

これが締結されたらあとは実行となっていく。ただ一回締結したら後戻りはできないので慎重に契約書をみてほしい。

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