カルマに囚われることこそが、カルマ。

身体に障害があることを人に話すと、「それはカルマのせいだよ。」と言う人がときどきいます。その意味は、「過去世でなんか悪いことをして、その災いが引き起こしたことだよ。」ということのようです。このように言われる経験は僕にだけある話ではないみたいで、他の人もこういった経験をしたことがあるみたいです。

「カルマのせいだよ。」と言われた人が、救われた気持ちになったり、心が軽くなったりすればいいのですが、なかなかそういった人は少ないのではないでしょうか。本当にカルマのせいだとしても、原因がわかっても障害がなくなるわけではないからです。

人によっては、「私は過去世で悪いことをしたから、その罰なんだ。」と感じて落ち込むこともあるみたいです。ただでさえ身体に障害があることでつらい気持ちを味わうことが多いのに、それに加えて自分には呪いがかかっているかのように感じてしまうと、二重、三重にもネガティブな気持ちがのしかかってきます。

しかし、カルマの話を聞いて落ち込むことこそがカルマだと思うのです。過去世で悪いことをしたかどうかについて、確かめる術はありません。過去世にまつわるカルマというのは、おとぎ話のようなものです。実際に起きた話かどうかはわかりません。自分が気分がいいなと思う話ならまだしも、あまりいい気がしないなと思う話なら、大事に抱えておく必要はありません。

歴史で習ったように争いや戦争が多かった時代には、誰かが誰かを殺したり、または殺されたりということはたくさんありました。ですので、過去世で人を殺したことのある人は、ともすれば全員かもしれません。自分だけが悪行を働いた悪人ということはないのです。

どんな過去世を送り、どんなカルマがあろうとも、今をどう生きるかの選択には全く関係がありません。今この瞬間に何を感じ、何をしたいかについて、もっと意識を向けてみてください。そして、ワクワクすることは何か、どんなことをしたら楽しいかを考えてみてほしいのです。常に自分がいい気分になる行動を選択することで、カルマは意識から消えていきます。これが結果的にカルマを癒やすことにつながるのです。


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