身体障害者手帳を持つことのデメリットは?

身体障害者手帳を持てば、等級と種類にもよりますが、さまざまな手当やサービスを受けることができます。国によって提供されるもののほか、自治体や民間によって提供されるものもあります。手当というかたちでお金が銀行口座に振り込まれるものもあれば、交通費が割引になったりすることもあります。種類が多いのでここでは書ききれないです。

では、逆に身体障害者手帳を持つことのデメリットはあるのでしょうか。個人的主観で考えてみました。

取得するために時間とエネルギーが必要

身体障害者手帳を持つ手前の話です。役所に行ったり、病院で診断書を書いてもらったり、それをまた役所に提出したりという行動が必要です。過ぎてしまえば「あれは大変だった」となりますが、その渦中はそれなりのストレスがかかります。

まず、わからないことや知らないことの連続で、それがストレスになります。どこに行けばいいのか、何を揃えればいいのかなど。病院で診察を受けて診断書を書いてもらうのもラクとは言えません。身体障害者手帳のための診断書を書いてくれる病院は限られているので、場合によっては行ったことのない病院へ行かなければなりません。診断書を書いてもらうのが有料であること(5,000円ぐらいかかる)、その日すぐには手に入らないこともちょっとしたストレスです。

「障害者」になることへの心の負担

身体障害者手帳を持つ前と持った後で、その人の価値も尊厳も何も変わりません。しかし、例えば「障害者は弱者だ」と思っていると、身体障害者手帳を持った瞬間から「自分は人よりも弱い」というレッテルを自分で自分に貼ってしまいます。

障害者というものを自分でどのように定義しているか、そしてそれがどの程度ネガティブなものか、そこが大きく影響します。障害者に対してネガティブなイメージを持っていれば持っているほど、身体障害者手帳を持った後の心の負担になります。

自分の中で障害者というものを、みすぼらしい、汚い、怖い、価値がない、惨めな存在と定義しているとしたら、その一つ一つが心の負担になります。もちろんどれも事実ではなく、間違った思い込みですが、これを一つ一つひっくり返していくのにある程度の時間がかかります。

手当やサービスを受けることに罪悪感を感じる

身体障害者手帳を取得した後、さまざまな手当やサービスを受け取ることができます。最初のうち、自分がそれらを受け取ることに罪悪感を感じるかもしれません。しかし、これは時間が経つほど慣れていきます。そのうち、「いただけるものはいただこう」という気持ちになる人が多いです。

解決策は?

身体障害者手帳を持つことで、何かを失うということはありません。得られるものや受けられるものがたくさんあります。一方、身体障害者手帳を持つことのデメリットは、心の負担と言えます。これは、みんなは晴れの日の散歩を楽しんでいるのに、自分だけが雨の日に出かけてびしょ濡れになっているようなものです。

他人から受ける扱いは、身体障害者手帳を持っていてもいなくても同じです。温かく接してもらえるときもあれば、冷たく対応されることもあります。人によっては、身体障害者手帳を他人に見せなければ持っていることを人から悟られない人もいます。そのため、この記事では、「自分自身の中で何が起こるか」にフォーカスして書きました。

では、身体障害者手帳を持つことの心の負担は、どのようにして軽減できるのでしょうか。一つは、さきほども書きましたが、時間が解決してくれます。時間が経つほど心の負担は和らぎますが、何年もかかるものだと思っておいたほうがいいでしょう。別の解決策は、自分の中にある心のストレスを外に出すことです。自分の感じていることを紙に書いたり、人に聞いてもらったりすることで、ストレスが減ります。そして、自分の中にあるネガティブな定義をひっくり返すには、「必ずしもそうではない」という部分を1%でもいいので見つけることです。100%の絶対ではないということを知ることが大切です。

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