夜になったら目が見えないのはみんな同じだと思ってたときの話

だんだん目が見えなくなっていく病気で、治療法がないと知ったのは14歳のときでした。

それ以前から、暗がりで「見えない」と言っていました。両院は「なんかおかしい?」と思って、僕を病院に連れて行き、病気が発覚しました。

病気だと診断されたのは当然ショックだったのですが、見えない理由がわかったことで納得感がありました。

10歳ぐらいの頃、小学校で毎年恒例の一泊二日の林間学校がありました。山の中の施設で、アスレチックのコースを回ったり、カレーを作ったり、キャンプファイヤーをしたりというものです。

毎年夜に寝る場所が違うのですが、その年の寝床はテントでした。キャンプファイヤーのあと、そのテントに向かいました。人が一人か二人歩けるかぐらいの幅の山の中の道をくねくねと上がっていきます。でも、その道が全く見えない。でも、友達はどんどん進んでいきます。僕は取り残されるのが怖くて仕方ありませんでした。

僕は前を行く友達の服を必死に掴みました。友達はかなりいやがっていました。ただ掴んでいたのではなく、引っ張ってもらうぐらいの強さで前を行く友達の服を握りしめていたからです。でも、僕も必死でした。取り残されたら死んでしまうぐらいの気持ちでした。テントに着くまでの時間がとてつもなく長く感じられました。

僕にはわけがわかりませんでした。「どうして他の人は見えるのだろう?」と思いました。と同時に、夜が暗くて見えないことが、とても怖くて良くないことで、恥ずかしいことに感じられていました。

翌朝、その友達が「昨日はこんな風に引っ張ってたんやで!」と再現してくれました。それが僕の予想以上に強い力だったことも、僕の中の恥を強化しました。

目が見え、見えないという出来事はあまり一般的ではありません。しかし、他の人にあるものが自分にはなかったり、それがとても恥ずかしいことに思えたりというのは、多くの人が経験しているのではないでしょうか。

例えば、欲しい物をあまり買ってもらえなかったり、勉強があまりできなかったり、走るのが遅かったり、ちょっと太っていたり、お母さんが厳しい人だったり、子供の頃に感じた自分と他人との違いはいろいろあると思います。

あなたの子供時代はどうでしたか?よかったら、少し振り返ってみて子供の頃の記憶と気持ちを思い返してみてください。

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