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3DCADを教えるときに気を付けていること!続編(Part2)

書籍「Fusion 360 マスターズガイド ベーシック編 改訂第2版」が、Amazonでベストセラー、評価数が100件となったことを記念して、テルえもんが3DCADを教えることについて書きましたが、その時に書ききれなかったので、続編です。

設計基準となる「平面」という考え方

前回、スケッチを「平面」に描いて、それを押し出しや回転などのフィーチャで立体化することを説明しましたが、どの「平面(平らな面)」に、どういうスケッチを描けば良いかを考えることが重要になります。

図1

私が教える際の例として、「今回は、正面から見たときに、この輪郭にしたいので・・・」というように、スケッチで平面を選択するときに説明するようにしています。

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2次元CADと3次元CADとの大きな違いが、この「面」という考え方が追加されることです。

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多くの3DCADでは、はじめに3つの平面が容易されています。
はじめは、X軸、Y軸、Z軸の3軸の平面として、XY平面、YZ平面、ZX平面の3つの平面が用意されています。正面、平面、右側面と表現するCADもあります。X軸、Y軸、Z軸の交わるところが原点と呼ばれ、座標が(0,0,0)のところになります。スケッチを描く際には、原点との位置関係を決めて描いていきます。

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図1

そして、出来上がった立体形状の平らな面にスケッチを描くこともできます。出来上がった立体形状のライン(エッジ)から距離や角度などの寸法関係をつけることもできます。

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もう1つの方法として、平面を作成する機能が多くの3DCADには搭載されています。Fusion360の場合には、構築メニューの中に格納されています。

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使用例として、「オフセット平面」を使って、平面を平行移動した位置に作成して、スケッチを作成して、「ロフト」フィーチャでつないで立体化したり、「パスに沿った平面」を使って、パス(カーブ)に垂直な平面を作成して、そこにスケッチを作成して、「スイープ」フィーチャでパスに沿って立体化をしたりなどの使い方があります。

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この2つの平面の使い方について、書籍でハートのマグカップを題材に学べるようにしています。

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まず理解してほしいこととして、スケッチは平らな面(平面)に作成するのが基本になります。3DCADによっては、3Dスケッチという機能があったり、曲面上に直接、スケッチを描けるものもありますが、一般的には、平らな面にスケッチを作成します。

では、曲面部分に形状を作成したい場合には、どうしたら良いのか?

一度、平面にスケッチを描き、Fusion360の場合には「押し出し」フィーチャの設定で、押し出しの開始位置を平面からではなく、「オブジェクトから」を選択して、形状の面を選ぶことで、面に沿って押し出しが行われ形状を作成することができます。

下図は書籍のハート型のマグカップで行っている例です。

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その他にも、Fusion360では、「エンボス」という機能もありますね。

図3

以上、ここまで設計基準となる「平面」について書いてきました。

まとめると、スケッチは基本、平らな面(平面)に描き、平面は、

①はじめに用意されている、XY平面、XZ平面、YZ平面の3つがある。

②出来上がった立体形状の平らな面にもスケッチが描ける。

③平面は作成することもできる。(Fusion360の場合、構築)

この3つの考え方が重要になります。

そして、平らな面以外のところに形状を作成したい場合には、一度、平らな面にスケッチを描き、フィーチャの設定で調整する。ということです。

はじめは、どこの平面に、どういうスケッチを描いて、形状を作成して組み立てていって良いかがイメージできないかもしれません。書籍やネット上にある動画や色々な例題をこなしていくことで、徐々にイメージができるようになります。ここはスポーツと一緒で反復練習が必要です。

勉強でいうと算数や数学に似ているかもしれませんね。例題を学んで、他の問題を解きながら公式の使い方を学んでいくような感じかもしれません。

続く!?

またまた今回で書ききれなかったので、次回に続けていきます。シリーズ化していきましょうかね。

プロジェクターに映して教えるときに気を付けていること、使っているツールやテキスト作成する際に行っている作業や動画制作のツールなんかも紹介していこうかと思います。

引き続き、どうぞよろしくお願い致します。

noteを最後まで読んで頂き有難うございます。 東北の岩手県北上市で3DCAD/CAM/CAE、3Dプリンタ、3Dスキャナ、リバースエンジニアリング等、ものづくりエンジニアの育成、企業のサポートをしています。地方創生・地域活性化に取り組んでいます。よろしくお願い致します。