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ありのままでいられないことに悩まなくてもいい

6月の中頃、気持ちが沈んでる日が続いていた。
5月の初めからなんとなく調子が上がらない。


転職活動をちょっと頑張りすぎた。
疲れたから、やる気が復活してからまた再開すればいいと思ってからはや1ヶ月。
あの頃感じた前向きな気持ちはなかなか戻ってこない。

2ヶ月後に退職が迫っているから、気持ちが焦っているのかもしれない。
でも、次の職場で何をしたいとかあまり思い浮かばないし、やる気も出ない。

こういう時期は久しぶり。
何をしてもなにか良くなる気がしなくて、いろんなことが億劫に感じる。
調子を維持るすために毎週末やってることをコツコツやってもなかなか回復してこなくて、また大きく体調を崩してしまうのではないかと不安を抱えながら日々を過ごしている。
なかなか糸口を掴めず、しんどい。

自分の弱い面が出てる時期。そんなふうに感じる。
ストレス耐性が低いとか、体が弱いとか、メンタルが弱いとか、そんなふうに感じて落ち込む。
そんで、転職でもそういう調子が悪い自分を反映して働けないんじゃないかとかどこも雇いたくないよなとかネガティブな想像が出てくる。

そんな時、たまたま本を読んだ。
散歩するのも、音楽を見るのも、YouTubeを見るのも全部面白く感じられなくなった時にふと本棚にあった西加奈子さんの本「おまじない」を手に取った。
短編集なので手軽にヒントが得られればいいなと思って本を開いた。


「孫係」という話が心に残った。
思ってることを言わなかったり、相手の求めてることをするというのは、思いやりであると。
仲のいい友達、家族、それぞれの役割を演じている、それは思いやりなんだと。
どれだけ血が繋がっていようと、ありのままで通じ合えるわけじゃない。

どこかで愚痴を言えるような繋がりが尊いということ。ずっと綺麗にいられない自分を許していいし、それを認めてくれる相手が人生を共に歩んでくれると。



最近自己啓発とかに偏って本を読んでいた自分にとって大事なことを思い出させてくれた。

小説って個人の意見や思想のもと成り立ってるからこそ、世の中の正しさでは測れない大事なことがあるし、救われる本音があるのだと思った。

そして、自分の社会との向き合い方も見直すことができた気がする。
最近の自分はありのままでいられることを重視してそれが叶わないことに疲労して落胆してる部分があった。
転職でも、いかに演じない自分を受け入れてもらえるかに頭が偏っていた。
みんなありのままで働けて羨ましいなとさえ思っていたかもしれない。
本当は違うのに、明るくて優しい自分、素直で一生懸命な自分を演じることに、嘘をついているような罪悪感を抱いていたのかもしれない。
でもこの本のおかげで、罪悪感なんて抱かなくていいのかもしれない、と思った。
社会はそういうふうに回ってるし自分だけじゃない。
嘘をつくのが苦手な分、正直な付き合いができる人との繋がりがたくさんできたのかもしれない。

明日からまた出社して演じるわけだけども、少し楽な気持ちで迎えられるような気がした。
演じてくれていることにも感謝できそうだ。

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