読書感想文②アムリタ




匂い、それに伴う色。
面倒くさがらずに書き残さねばならぬ想い

アムリタの本を開くと、ごぽりっと水のボールに覆われたような。不思議な空間にトリップした気持ちになる。全ての感じるものを言葉に文字に起こしているからかな。

あと、大切な人達に会いたくなるし、もっと自然体なありのままで生きていきたいと思う。

主人公の境遇や、物語の内容自体、すごくすごく特別なことなのに、特別じゃないと思わせる。書き方。日常感がすごい。もっと毎日をちゃんとみて感じて生きてこうと思った。無駄にドラマチックにしない。安っぽくない文章が良い。

こんな感じ。とか、こういうこと。とか、比喩表現がすごい。具体的に書かれていて、普段たしかに感じている感覚が、具体的な言葉になって表現されてるのが面白い。伝わりやすい。

私はまた、ここで出会った人たち(登場人物)を好きになる。実在する友達に会う感覚で登場人物達が本当に好きになる。性格とか、物言いとか、選ぶ言葉とかが好きすぎる。

こないだ、研修で遺書を書いたからかもしれないけれど、人生何があるかわからん。いつ死んじゃうかもわからん。そういう気持ちになった。手紙を書きたくなった。大切な友達を思い出した。その友達とは心が通じてると思う。

こう!って言い表せない繊細な感覚をこうも切実に伝えようとする小説ってなかなか無いと思う。それだけで構成される小説は無いと思う。

ただ単に、生きている。ということをこんなにも細分化できるものなのか。いや、細分化することを諦め無いことがどうしてできるのか。

風景を一つの絵として説明し出したら、
人の1日はひとつの小説ぐらい長くなるのだと思う。改めてそのことに気付かされる。
話たいことは沢山あるのに、この感覚を共有できる人も、その言葉も自分には持ち合わせたいないことが悔しいと思う。

流れるように日々はすぎて行くが、当たり前の空間や匂いや空気にフォーカスすると途端にドラマチックになるのも面白い。

変に大人びた子供が出てくる小説に惹かれるのは、自分が、それに憧れを重ねているからだと思う。



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