APS-Cとm4/3のセンサー比較(星景写真)

2020年4月10日 14:04

星景写真は写真撮影の中でも高感度で点光源を撮影することになるため、レンズやカメラの性能が求められるジャンルです。

一般にカメラに搭載されたセンサーの1画素の大きさが大きいほど同じ露光時間で多くの光を取り込むことができるため、よりノイズレスで撮影をすることができます。

現在私が所有するカメラはsonyのα6000とLUMIXのG9であり、これらはそれぞれAPS-Cとm4/3サイズのセンサーを搭載しています。

今後ノイズレスな星景写真を撮影していく上で、Eマウントのレンズ資産を生かしてsonyのαシリーズのフルサイズミラーレスを導入していくことを検討していますが、実際にセンサーサイズによる影響が鑑賞においてどれほど違うのかを検証するために、レンズを統一して撮影を行ってきました。要は自分用です。

撮影に使用したレンズはsigmaの16mmf1.4というsigmaの中でもコンパクトに作られた単焦点レンズです。これはsony Eマウントとm4/3マウントの両方が存在するため、レンズを統一して撮影することができました。

f値1.4でこれだけコンパクトなシステムに出来るというのは間違いなくフルサイズに対する優位点ですね。

撮影は11月に奥多摩湖で行いました。
天の川の時期も終わり、山奥とはいえ東京の町明かりが遠くに見える中での撮影だったので寂しい星空となってはいますが、紅葉や枯木と絡めた撮影を行うことができました。

突然ですがこの2つの写真、どちらも同じ条件(iso1600, ss10sec, f1.4)で撮影した写真ですが、どっちがどっちのカメラで撮影したものか分かりますか？(画角を合わせるためにトリミングしてあります。)

これらの写真はrawをLightroomで読み込んで、色温度と色被り補正の数字のみを合わせて現像したものです。

①カメラによって色が違う。
恐らくセンサーサイズというよりは画像処理エンジンの違いでしょうか。 RGB画像素子の混ぜ方が各社違うらしいので。メーカーの色ってやつでしょうか。

②同じレンズなのに下の画像はパープルフリンジが激しく出ている。
上の画像はrawの時点ですでにフリンジ除去を行っているような気がします。

③下の画像のほうが明るく見える。
レンズによる光の取り込み量は同じなので、画素ピッチの違いによる明るさの違いでしょう。センサーサイズの違いの本質ですね。

ちなみにもうお分かりかと思いますが、上がG9で下がα6000で撮影したものです。
センサーサイズの小さなG9でもきちんと星が写っていますよね。一方で暗所(前景)の色の出方はセンサーサイズの大きなα6000に分があると思います。

G9のカメラ内のダークフレーム減算(長秒ノイズ除去)を行っていない結果と行った結果を比較します。画像の暗所部分を等倍で切り出した画像を以下に載せます。

小さな画像では見づらいですが、左は赤丸で示した部分のように無彩色の輝度の高いピクセルが無数にあるのが分かりますでしょうか？Lightroomで現像した際にデフォルトで設定されているカラーノイズ低減(25)が入っているため、左の画像ではカラーノイズが除去されて残った部分がこのようなノイズになっています。

一方、カメラ内ノイズ除去を行うとそもそもこのようなホットピクセルが無くなります。

α6000も同様の現象がありますが、ノイズ除去を行わない状態においてノイズがG9に比べて少なくなっています。これも画素ピッチが大きいメリットですね。

最後に諧調と色補正のみの簡単な現像を行って似せるように調整したそれぞれの写真を載せます。