休職中に詐欺にあった話

休職して時間の使い方に悩んだ。「周りの人は必死に働いている中、自分は安穏として過ごしていていいのだろうか」と思った。じっとしていることが逆に苦しくて、オランザピンという薬を処方してもらった。

家にいると仕事のことを考えてしまうため、車で少し場所を変えて、「家から出た=何かをやった」という気分に自分を納得させた。

これはそんなころの話。

人と触れ合いたかった

休職始めたころ、正直にさびしかった。家族はいたが日中は一人だった。会話したいと思った。友人は少ないながらいたが、みんな仕事をしていて、ひんぱんに会えるわけでもない。

雑談できる場所。居場所。人。そんなものを求めていた。
(現時点では、精神病患者向けのオンラインサロンに入り、この欲求を満たしている)

その時ボクがはまったのは、ビジネス系マッチングアプリと外国人とのマッチングサイトの二つ。

それぞれで仲良くなり、LINEを交換して、雑談する関係になっていた。

手間をかけた詐欺①

日々のことを話したり、夜ご飯の話をしたり、互いの文化の話をしたり。
そんな雑談に癒され、没頭していった。

その時、一人から、「私は割のいい投資をしている。あなたも始めないか」
と言われた。

あやしい?
そうかもしれない。
というか、文字に書きだすと詐欺の常套句だよなぁと思う。

投資というか、内容はこうだった。暗号通貨の財布アプリがあり、そのアプリに暗号通貨を預けておくと、利益がつく。利益は預ける金額による。
自分は1日で5%の利益を出している。

自分は、「財布アプリに預けるだけなら、最悪仮想通貨を売り払えばいいので、減ることはあってもゼロにはならないだろう」と考えた。

そして相手はかいがいしく、スクリーンショットつきで、僕に仮想通貨の買い方やアプリへの入金方法、そして「あなたの利率が5%になるように、私があなたにお金を貸してあげます」と僕を唆した。

僕は馬鹿だった。

何度も「どうして自分にそこまでよくしてくれるのか?」と聞いた。休職の原因は職場で仕事ができなかったからだったので、自己肯定感がめちゃくちゃに下がっていた。
相手は「私の国では、友人に利益がでるように努力する。あなたは日本で一番の友人だ」といった。僕は舞い上がった。

あれよあれよと入金した。財布アプリから、自動で暗号通貨が違う場所に移動されていた。焦った僕は、相手に「勝手に暗号通貨が消えた!」とコンタクトを取った。その時相手は「原因は私が調べるから焦らないで」といって、「マネーロンダリングを疑われている。40万の入金があれば、今までの暗号通貨も返却されるみたい」と教えてくれた。
そして40万を追加で入金して、それも違う場所に移動された。話が違う、と思った時には、相手はLINEを削除していた。

僕は、詐欺をかける人間はここまで手間をかけると思わなかった。個人的な相談をしたりしていた。仕事でうまくいかないことや、病気のこと。将来の不安。親身にのってくれた。そして、僕の金をかすめとっていった。


手間をかけた詐欺②

もう一人は、ビジネスマッチングアプリで出会った。
大阪で会社を経営していて、仕事の様子の写真を送ってくれた。

こちらは、bitforexというサイトの取引方法を教えてくれた。(話は飛ぶが、bitforexのサイトは存在するが、教えられたサイトはbitforexをまねた別サイトだった。詐欺が判明した後に気づいた)

身内にしか教えない方法で、家族以外に教えるのはあなたが初めて、などと言われた。僕は鵜呑みにして、お金がもうかったと思った。
たったの10分ぐらいで400万ぐらいになった。

そのお金を口座に戻そうとしたら、両替にお金が必要だと言われて、60万払った。その後、初回の入金には取引額の●●%必要なので、それも入金が必要だ、と言われた。そこまできて、やっと僕は消費者センターに相談した。

その入金方法も、サイトに振り込むためには個人の口座に入金させられた。
のちに弁護士によれば、しっかりとした会社が個人の口座に入金させることはありえないと言われた。

弁護士に相談した

法テラスに相談し、自分の詐欺が「投資詐欺」に分類されるものだと知っ
た。
法テラスに相談すれば、無料で3回まで弁護士に相談することができる。
1回30分まで。
ネットで調べた通り、時間を無駄にしないように、時間軸で起きたことと、金額を整理していった。整理しないと時間が足りない。

①の詐欺に関して、クレジットカードを使って取引したものに関しては、チャージバックが成功した。
それ以外の、現金で取引したものはすべて戻ってこない。
個人の口座に振り込んだものに関しては、三菱UFJ銀行だったので、電話をして、口座を凍結してもらい、意義を申し立てた人たちで口座の中に残っているお金を割るらしい。一応体験談として書くが、銀行ごとに対応が違うだろうし、直接確認すること。



終わりに

弁護士対応は勉強になった。
貯金は空になった。親に借金をした。
「友達から借りろ」と詐欺師にそそのかれたが、「お金を失うよりも大切なものを失う」と、友人からお金を借りなかったのは英断だった。
クレジットカードの上限額を引き上げて暗号通貨の取引をした。
暗号通貨がうまくいけば、支払うことができると思っていた。
やはり、自分の持っているお金以上のことをすべきではないし、
一度に使うお金の上限を決めておくべき。

詐欺にあって、メンタルがぐちゃぐちゃになり、人間不信に、というか人生不信になった。弁護士も詐欺師に見えた。
正直今もあまり回復してない。

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