#7 問題の原因を考える
さて、初めての試作品がうまく機能しなかったのはなぜだろう。試作品は原理的には二重ポット式冷蔵庫と大きくは変わらない。実際パーライトをザルに入れて片方に水をかけて両方の温度を測ると水をかけたもののほうが3~4℃は温度が下がる。
大きな違いは、素焼きの壺の代わりに木材を使っていること。木材は陶器に比べると明らかに断熱性があるので、冷却部が冷えたとしても中には伝わりにくいはずだ。それから木は空気もあまり通さないだろう。
ならば・・・次の2つの方法で問題は解決されるはずだ。
①パーライトの充填された空間内を空気が強制的に移動させるようにすれば、より効率よく冷却されるはず。
②冷却の必要な内側の空間に熱が伝わりやすいくすればいい。熱が伝わりやすいのはなんと言っても金属だ。
そしてこれを建築物で実現するには・・・
こんなふうに考えながら構想を実現するためのモデルを考えた。
(次回に続く)