見出し画像

Ⅴ-#7 シートの使い方・活かし方

1.本当に変えた方がいいか?

 さてできあっがったシート全体を見てみましょう。

ここでは比較的対応を考えやすい例を挙げてみましたが、実際にやってみると、うまくいくとはかぎりません。

筆者が研修で活用してみた経験では、考えてみたけど結局現在のやり方が妥当なことが分かった、というケースも、(割合は大抵1~2割ですが)あります。

もちろんその場合には、現在のやり方を変えるべきではありません。

ただしそれでも、シートを作ってみることには意味があります。実践に納得感が生まれ、やらされ感が減るからです。このシートを作ってみることで、学校の一つの実践のいろいろな背景や多面的な影響を考えられるようになるので、より多面的に見ることができるようになります。

変えることもできるけどあえてこの方法でやっている」のと「やめられないのでやっている」というのでは組織で働く人々にとって同じことではありません。

2.合理的なら変えられるか?

このシートの基本は合理的な発想で作られています。
当該活動にどのくらいに時間・労力がかかっているかを見積もって、やめた場合の弊害も考え、必要に応じて代替案も用意して、活動トータルの費用対効果を改善にしようするものです。

だからこのシートを練り上げることに成功すれば、理屈の上では大抵の「やめられない」とする根拠に対応することはできます。けれども理論と現実は違います。

中堅層以上の教員に、このシートを使った研修を行えば、大体8割くらいの人は自校の改善案を作り上げることができます。
しかし「では、皆さん実際にそれを学校に帰って実行しようと思いますか」と聞いてみると、その割合はぐっと減ります。

3.改善をあきらめない


もちろんだからといって、改善をあきらめる必要はありません。
このシートを「『やられない』を疑うシート」と名づけたのも、学校の観光に切り込もうと思ったら、まずそれぞれの教員が、自身の発想の柔軟体操からはじめる必要があると考えたからです。

できればワイワイガヤガヤみなでこのシートを作ってみることで、少しずつ発想をほぐしていく感覚で取り組んでもらえたらより一層の効果が期待できるはずです。

(次回につづく)