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Ⅲ-#7 シートの活用方法

どこで作成してどのくらいの頻度で使うか


ここまでで紹介してきた「キャリアデザインシート」は、学校管理職や教育委員会等の他者が評価するためのものではなく、自分が自分のために作成するものであることが基本です。

けれども一方で、こうしたシートを作成したとしても、自分で一人で継続的に使用して自分を高めていくことのできる人はよほど意志の強い人だけです。実効性を高めるという点からすると、仲間内で一定の頻度で使用していくことが理想です。

このシートは校内研修の他、地区研修会や教職大学院の授業などでも使用してみることができます。また教育センター問うの行う中堅教諭等資質向上研修でも作成してみることができます。

筆者の経験によれば、校内研修などで活用する場合には、解説・演習込みでも大体2時間くらいで一通り作成してみることができますが、プラス1時間くらいあると、グループ内でお互いの思いを共有することができて、理解も深まり、教員間の協働にも効果的です

また、この手のワークシートの問題点はとかく作って終わりになってしまうことです。一学期に一度くらい確認できることが理想ですが、なかなか双も行かないのが多くの学校の現状なので難しいところです。

計画を作ってもどうせ環境が変わるから・・・!?


さて、このような「シートを作成し、計画を立ててもどうせ自分の意志に関係なく勤務校や分掌などの環境は変わっていくので、しょうがないのではないか」という質問を、時々受けることがあります。

確かに勤務校や分掌は自分の意思が通るとはかぎりませんが、だからこそこうしたシートが必要なのではないか、と筆者は考えます。というのも、変動する環境の中で、自分の成長を他人任せにしていても成長できるような状態に現在の学校環境は置かれていません。

セレンディピティという言葉(やそのもとになった逸話)がありますが、目的を持って進もうとするからこそ、その傍らにある偶然の恩恵にあずかることもできるのではないでしょうか?

さいわいにして、国の施策では様々な研修機会の「受講奨励」や「研修履歴の整備」が進んでいます。これをチャンスと捉えるかめんどくさいと捉えるかは教員次第ではないでしょうか?