#3 草屋根の課題
草屋根はメンテナンスに問題がありそうだ、と前回紹介した。
当の藤森さん自身、次のように書いている。「八幡山の雄大な景色が広がり、計画にあたってはとにかくこの景観を壊さないという大前提がありました。そのため、山のような緑化をしました。これが、メンテナンスがたいへんなのです。山からの水を散水しているのですが、今年も猛暑で温度が高くなり過ぎてヘドロが湧き、屋根を通っている給水管のパイプが詰まってしまい、屋根の植物が枯れ始めたので、慌てて掃除をされていました。メンテナンスはたいへんなのですが、ここでは専門の農芸部門がしっかりとやってくださっているので安心です。」
このように専門の農芸部門をもっていても、簡単ではないようだ。
下の写真を見ると前回紹介したものとはだいぶ異なり、芝生の茶色の部分が目立つ。
これでは一般の家で使用するにはハードルが高い。「ちょっと家を留守にしたら枯れてしまった」なんてことになったら、快適どころかいつも屋根の心配をしなければならなくなる・・・それでは本末転倒だ。
もちろんそれでも藤森さんの作品は味があって面白い。
ちなみに私が訪れたのは長野の茅野市にある「神長官 守矢史料館」と「高過庵」。その独特の風情があってみているだけで面白い。
草屋根ではないものの、後の草屋根導入につながるようなデザインの萌芽が見られる。