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どうしたら?の前に、どうしないか


子どもが不登校になりました。どうしたらいいですか?

親の立場に立つと、子どもが不登校になったならば、「ああ、そうなのね」などと素直に受け入れられるわけがありません。
ショックでしばらくは何も考えられない時間もありかもしれません。時間をおいて、あるいは瞬間的に、「これは、大変なことになったぞ」「どうして行けなくなったのか」などと何か親としてしなければならないと考えをめぐらすことでしょう。
すぐに子どものところへ行って、「なんで学校へ行かないんだ」「何を考えているんだ」と問い詰めることするかもしれません。学校で何かあったかもしれない、と学校へ駆け込むかもしれません。こういった行動は、以前にも書きましたが、「原因」があって「結果」として不登校になったという問題解決の考え方を無意識的にしています。ところがそういう考え方では、まずどうにもならないばかりか反って子どもとの関係は悪化してしまいます。
さんざん、いろいろとできることをやってみて、でも子どもは変わりそうもない。そうなって私たち不登校・ひきこもり相談支援センター(フリースクール地球子屋)のようなところへ相談に来られます。

何をするか、よりも何をしないか、から考えて!

長年、不登校の子どもたちに触れ合ってきました。そんな私たちから言えることは、ご相談に来られたご家族と子どもさんとの関係は、ほぼ悪化した状態です。
私たちの前で怒りを全面に出すことは、ありません。不安や心配、焦りや諦めなどの気持ちで来られます。ですが親の言うことを聞かない、みんなができていることができない、子どもが親や学校に迷惑をかけているなどの本音をもっているならば、根底には怒りの気持ちがあり、それを必死に理性で抑えているかもしれません。そのような不健全な状態は、必ず子どもに対して顔や表情に出るものです。
子どもは、そういった顔や表情を見逃すはずがありません。瞬間的に緊張状態となり、顔を強張らせて、奥歯に力が入ります。親の言うことなど誰が聞くものかとそういう心情になっていくのです。
そんな状態になった子どもに、親御さんが何かしようとしてもあまり上手くいきません。
ですから、そんな状態だとしたら、「どうしたらいいのでしょうか?」の答えは「何をするか、よりも何かまず止めてみることから始めませんか?」とお伝えしています。

子どもの状態をまずは様々な視点から知ることから

焦るあまり、いつから学校に行くのか?、何か学校であったのか?などと質問攻めにしたり、怠けたいだけじゃないのか、このままでいいと思っているのか、などと脅してみたりとつい言ってしまいがちです。そういうことをまずは止めてみましょう。それこそが子どもの元気を回復する一番の早道なのです。そして、今日の子どもさんの生活をまずはしっかりと知ることから始めてみましょう。