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【手帳と暮らしてきた#5】レフト式手帳との付き合い方を考えてみる

本連載では、主宰のおおやまが実際に自分や家族のために使ってきた手帳と、当時の使い方を振り返ります。

今回の手帳…レフト式手帳各種

今回紹介する手帳は特定の品ではなく、「レフト式」というフォーマットの手帳数年分です。

レフト式は、ウィークリー(週間)ページの左側が1週間に分割されており、右側がフリーページになっているフォーマットです。

国内産の手帳ではおそらく、1949年に誕生した「能率手帳」がレフト式手帳の元祖と思われます。

今回は2012~2021年の間に使ってきた、計5冊のレフト式手帳について振り返ります。
同時に、広く流通しているものの苦手な方が多いフォーマットであるため、実際の使い方を元にネックや対策を考えてみました。

実際の使い方

ここからは、5冊の手帳の使い方を時系列順に紹介します。

①Paperblanksダイアリー

洋書のような装丁が特長のノートを展開するブランド・Paperblanks(ペーパーブランクス)。
実店舗ではあまり見かけませんが、手帳も展開しています。

鳩は自分で転写シールを貼りました

中世ヨーロッパやファンタジーの世界観が好きで、装丁が気に入り2012年に買ったのが、Paperblanksダイアリーのスリムタイプでした。
現在スリムタイプは販売していませんが、サイズは後述の「ほぼ日Weeks」に近く、B6の縦長変形サイズです。

この手帳は右側のフリーページが横罫タイプでした。
そのため、左ページは午前・午後に分けて予定やメモを書き、フリーページにその日の日記を書いていました。

マンスリーに予定を集約していたため、左ページの空白が目立ちます。
日記は続いていたものの、ウィークリーの使い方は満足のいくものではありませんでした。

②ほぼ日Weeks

累計1,000万部を突破した、今もなお高い人気を誇る「ほぼ日手帳」。
姉妹品として2011年に誕生したのが「ほぼ日Weeks」です。

ほぼ日手帳といえば、毎年多彩なデザインのカバーが発表されます。
お披露目の期間中は多くの手帳ユーザーが注目しており、私もチェックしています。

うち、2016年に発売されたカバーのひとつが「どせいさん」。
どせいさんは、ほぼ日手帳を手がけている糸井重里さんが携わったRPG「MOTHER」シリーズに出てくる謎のキャラクターです。

元々ゲームのファンな上に、どせいさんが散りばめられたイエローのカバーに一目惚れして買いました。

この手帳は見事に文字だらけです。
2016年は息子の産前産後時期だったため、その頃の様子が事細かに書かれています。

また、妊娠中に長編小説の投稿をしたため、その進捗をフリーページにメモしていました。

ほぼ日Weeksは巻末のフリーページも多く、心構えから出産のリアルな体験まで綴ってあります。
画像は当時読んでいた漫画の抜き書きや、親になるにあたり心がけたいことを書いたページです。

出産後は空白が目立つページもありますが、どせいさんへの愛着が強かったのもあってか、最後まで使い切った手帳でした。

③デザイナーズギルド ウィークリーダイアリー

デザイナーズギルドは、英国発のファブリックや雑貨、衣類を展開しているブランドです。

手帳はマンスリーとウィークリーの2種がグリーティングライフから販売されており、毎年異なる絵柄が楽しめます。

ほぼ日Weeksの名残と、デザイナーズギルドの華やかで美しい模様に癒されたい気持ちが合わさり、2017年に使っていました。

無罫のフリーページには、花柄や写真が挿絵のように印刷されています。
毎週絵柄が違うため、飽きが来ず目の保養でした。

このように写真が大きく入っているページもあります。
真っ白なフリーページだと「書けなかった」印象が残ってしまいますが、この手帳の仕様は何も書けなくても寂しくならず助かりました。

④無印良品 ウィークリースケジュール帳

無印良品のスケジュール帳はシンプルなデザインで、用途を問わず使える印象です。
2024年6月現在、既に8月始まりの手帳が店頭に出ています。

2018年に使っていたのが無印の手帳でした。別のカバーをかけて使っていたため、マンスリーページの画像で代替します。

要素を削ぎ落としたデザインなため、当時は毎月マンスリーを飾り付けるのに凝っていました。
フリクションスタンプで息子の予定管理をしています。

まめに書いていた時期は、主に以下のような内容でした。

  • 食事内容

  • その日のトピックス

  • 家事

  • 料理や食材のこと

フリーページは毎度華やかにしようと思っていた訳でなく、比較的自由に使っていました。

育児による浮き沈みが激しかった年で、後半はフリーページをほとんど使えていないこともざらでした。
A5サイズのフリーページは「余白の圧」が強いのかもしれません。

⑤NOLTY 能率手帳

NOLTY(旧能率手帳)のロングセラー商品、能率手帳。
背広のポケットに収まるサイズとして、業界人に愛用者が多い手帳です。
羊の革を使った表紙・ゴールドの小口が特徴の姉妹品「能率手帳ゴールド」もあり、手帳ユーザーにも根強い人気を誇っています。

2021年に突如使ってみたくなり、3月始まりのタイプを購入。
主にアニメやゲームの記録として使っていました。

呪術廻戦は今も好きです

当時ハマっていたアニメやゲームのことを簡潔に書いています。
フリーページはプリントした写真を貼るのに最適です。

しかし書くネタがない日も多く、マステを貼ってごまかしたりしていましたが、やはりフリーページの空白が目立つようになり、最後まで使い切れませんでした。

それでも振り返ると、当時好きだったものが瞬時に蘇ります。
今となっては書いていた時期だけでも、十分価値のある手帳です。

レフト式のネックと対策

多種多様な5冊の手帳についてふれてきました。
最後まで続いた手帳もあれば、途中で挫折、もしくは満足に書けなかった手帳もあります。

ここからは「レフト式手帳を続けること」に焦点を当て、ネックと対策を考えてみます。
あくまで私の使い方を鑑みての内容なので、ご了承ください。

〇ネック
・フリーページの面積が大きいとだんだん負担になり、空白になる
・ページに沿って書く内容が決まっていない、または変更があると安定して使えなくなる
・書くことがない場合の対策が不十分だと、そのまま書かなくなる

〇対策
・なるべくフリーページの面積が小さい手帳を選ぶ。もしくは挿絵や写真入りのものを使う
・空白のページがあってもいいと割り切る。後から空いているページとして何か貼るのもよい
・フォーマットに沿って書く内容を決める(日記、予定、各種記録、その日や週良かったことなど)
・書くことがないが、ページを埋めたいときのルールを決めておく

失敗してきたからこそ、分かることがある

今回は趣向を変えて、これまで使ってきたレフト式手帳についてまとめてみました。

昔の手帳選びは今ほど入念ではなく、装丁やカバーに惹かれたから、もしくはほかのユーザーさんの影響が強かったです。

本当に気に入っていた手帳は長く使えた一方で、やはり使ってみないと分からないネックがどこかしらにあります。

満足に使えなかったとしても、そこから初めて分かることがあるのは事実です。

苦手意識のあったフォーマットでも、楽しく書くことができていた時期を振り返ってみると、不思議とまた使いたくなる場合もあります。
今回の記事で振り返ったのがきっかけで、6月半ばに再び能率手帳を買い、同じテーマで記録をつけ始めました。

比較的自由なようで、ちょっと難易度の高いレフト式手帳の参考になれば幸いです。


連載「手帳と暮らしてきた」は月イチ更新です。
今後も筆者の過去の手帳や当時の使い方を紹介します。

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