見出し画像

ドル円、FRB高官によるハト派的発言で上値が重い。


【10/10相場概況】

東京時間、ドル円は、時間外の米10年債利回りの低下を受け、一時148.16円まで下落。その後は、連休明け5・10日(ゴトー日)の仲値で本邦実需勢による買い観測や日経平均の大幅上昇などを受け、ドル円は148.92円まで上昇。欧州時間、「日銀は23年度の物価上昇率を3%近くに上方修正へ」との一部報道で、日銀による金融政策修正への思惑から148.53円付近まで下落となったが、長続きせずその後は買戻しが先行。NY時間、米10年債利回りが低下幅を縮小させると、ドル円は149.09円まで上昇。しかし、ボスティック米アトランタ連銀総裁が「これ以上の利上げは必要ないと考える」などの発言や米10年債利回りの低下を受け、ドル円は148.54円まで失速。

【10/11相場観】

前日に続きFRB高官によるハト派的発言で、ドル円の上値が重かった。また、政府・日銀による円買い介入に対する警戒感も根強く上値の重い展開が続いている。注目は明日の米CPIとなっており、FRBが金利を引き上げか据え置きにするかの大きな要因となる。今のところ、予想は前回数値よりやや弱めとなっているが、上振れの場合、ドル円は再度150円を目指すかもしれない。しかし、予想下振れの場合は、利上げ観測が後退し、ドル円下落につながる。本日米PPIがあるが、明日の米CPI発表までは小動きとなりそうだ。
 
日足一目均衡表では、「三役好転」継続。昨日の下げは基準線でサポート。変化ポイントとしては、遅行線が26期間前チャートに接近。また、今週から来週にかけ149円台後半から150円の壁に突入となっており、これらを上抜けないと好転を維持できない。転換線と基準線も接近傾向にあり、変化を見落とさないようにしたい。

まだ、上昇基調が継続と見ているが、リスクシナリオとして下落目途をフィボナッチで計測。計測値は、A=151.94-127.21-150.16(フィボナッチエクスパンション)・B=127.21-150.16(フィボナッチリトレースメント)・C=137.23-150.16(フィボナッチリトレースメント)。大きな抵抗帯が2つあり、①C38.2%(145.22)・6/30高値(145.07)・C50.0%(143.69)、②200SMA(単純移動平均線)レベルである。①の抵抗帯までは、「調整や押し」と解釈できるぎりぎりのレベルで、②の抵抗帯を目指す動きとなると、今年1月からの上昇基調は終了と判断する。
あくまで、リスクシナリオ(想定外のシナリオ)ではあるが、急落時に慌てないために参考にしてほしい。

情報・目標値段など、随時X(旧Twitter)で公開。
前回分はこちら
20231011執筆 FXエバンジェリスト遠藤寿保


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?