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2024.7.30 モノの観方

 いつだったか文章講座の史子先生の紹介で日本語の本を読んだ。日本語というのは横並びの言葉なのだそうだ。英語はあなたとわたしが向かい合う言語、日本語は隣に立って同じものを見ている言語と説明されていたように記憶している。

 なんやかんやと他の本も乱読する中で日本語人の脳という本を読んだ。日本語は他の言語と使っている脳の場所が違うそうだ。うろ覚えだが、英語が左脳を使っているとしたら、日本語は右脳を使っているらしい。他にも日本語を使って育った人は音を聴いたり感じたりするのも、他の言語を使って育った人と脳の使い方が異なるそうだ。

 そして先日、ドライブの傍らYouTubeで鈴木大拙の講演を聴いた。最も東洋的なものと題された講演で、鈴木大拙は東洋的なモノの観方と西洋的なモノの観方について語っていた。
 西洋は分ける文化で世界は神が作った物だから、同じく神に作られた人間は自然を好きにしてもいいと考えるらしい。対して東洋はひとつというところからものを考えるそうだ。例として、英語では「The cat has four legs」直訳で猫は足を4本持っているとなるが、日本語では「猫には4本の足がある」と言うと話しておられた。猫と足を分けて猫の持ち物として捉えるか、足を猫の一部として捉えるかの違いである。
 昨今では、一部を見て善悪や差異を論じる西洋的なモノの観方が横行しているが、常に相手の横に立って、全体を意識するような東洋的な見地で世界を見つめる時間を増やすことができれば、世の中は平和になりそうやのになぁと、たまには夜中に独りごちてみた。

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