【数学コラム】 #0 なぜ0で割ってはいけないのか
第0回だから…というわけではないですが、私が最初に知って欲しいなと思ったコラムとして今回は「なぜ0で割ってはいけないのか」について3種類の方法で説明していきたいと思います。
そもそも数学的には、「0で割ってはいけない」というのは厳密には「0で割るという行為は定義されていない」といった表現のほうが正しいです。
理由① 10万円のものが1円で買えちゃう?
ここでは、逆数という考え方が大きく関係してきます。
そもそも逆数とは
上記の関係のことを言いaを1/aにすることを「aの逆数を取る。」と言います。0以外のどんな整数に対しても成り立ちます。
さて、上記を踏まえた上で逆数の式を0に当てはめてみましょう。
すると
となります。すでにちょっと「ん?」という感じは否めませんが次に進みましょう。
上記式が成立してしまうことによって起こる不都合として「何円のものでも1円で買えてしまう」ということがあげられます。
どういうことか段階を踏んで確かめていきましょう。
10万円=10^5円の物を買うとします。
の両辺に10^5をかけます。
本来逆数の関係式は必ず成り立つはずなので右辺も左辺も1なので両辺に何をかけようと問題はないはずですよね。
すると
という式ができます。
計算を進めていきましょう。
次に
なので左辺に代入すると
となりますね。
左辺は
の右辺と同じなので同じく代入すると
となります。
a×1=aなので右辺が10^5となるので最終的に…
となる。
よって10万円のものが1円で買える式ができてしまいました。
だから「0で割るという行為は定義されていない」んですね。
理由② 1=2が成り立っちゃう?
前提条件として
が成り立つとします。
まずは、与式の両辺にaを足します。
両辺から2b引きます。
左辺を2で括ります。
両辺をa-bで割ります。
a/a=1なので
よって、2=1というありえない式が出来てしまいました。
途中で(a-b)で割るつまり、a-b=0で割ってしまっているのでこんな非現実的な計算結果が出てきてしまうんですね。
このことからからも「0で割るという行為は定義されていない」ということが分かりますね。
理由③ 等式の右辺(若しくは、左辺)が0の時の計算における不都合
適当な右辺(若しくは、左辺)が0の式について考える。
今回は(x+2)^2で考えてみよう。
まず、(無くても大丈夫だけど)展開する。
この式は
と言い換えることができる。
この式の両辺を
で割ると
となる。
a/a=1,0=0/aなので
となってしまう。
なぜこのようになってしまうのかというと
で両辺を割ったことは0で割ったのと同じ
だからありえない式が出てきてしまう。
まとめ
やはり、「0で割るという行為は定義されていない」のはありえない式が出せたり、何かしらの不都合が起きるからでしたね。
各計算式の流れのおさらい
理由①
理由②
理由③
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