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業務フローについて考えてみた#1

仕事柄、企業の業務フローを見直すお仕事をしています。
これがなかなか面白く、ちょっとづつ書いてみようと思います。

企業概要:マイクロカメラ、ウェブカメラの販売企業への販売管理システム導入

この企業様はマイクロカメラやウェブカメラ専門の販売店様で、介護や医療関係の企業様をターゲットにBtoB販売をされていました。
今まではエクセルを利用して見積書や注文書、請求書を作成していたのですが、売上高が伸びてきたこともあり、拠点を増やし多店舗展開をしようと考えられているタイミングでの商談でした。

作業が属人的になっており、社長の奥様しか作業ができない

ゼロ開業で夫婦で仕事をされており、主に経理や請求書の発行は奥様がされておりました。
これがなかなか他人にできるようなことではなく、ルールも曖昧だったのでまずは業務フローを確認するところからはじめました。

見積書→注文書→納品書→請求書

上記の書類を作るのは簡単ですが、その過程で発生する売上に関連するデータをどう活用したら経営に活かせるだろうか…?

販売管理に集まるデータって?

  1. 商品の売上高

  2. 商品ごとの売上高、その割合

  3. 取引先ごとの売上高

  4. 取引先毎での売れ筋商品

  5. 売掛金の、残高消込

今回は取引先ごとの売上高を見えるようにするよう考えました。

システムの計上ポイントを考える

今回の販売管理システムは「売上伝票」を切るとシステム上に「売上」と「売掛金」が計上され、「入金消込処理」をすると「売掛金」が消し込まれます。それが「商品別」「取引先別」でデータ計上されてくるのでシステム上では「得意先別の売上高、売掛金の回収状況」「商品別の売上高、ランキング表」等が帳表として出力されました。

今回の社長は「得意先ごとの売上高」がいくらか、という点を把握したいとのニーズでご相談いただき、最終下記のフローとなりました。

旧フロー

問題点


①見積書、注文書、納品書、請求書がエクセルの為それぞれを手打ち作成。金額や明細のミスが発生しやすい状況だった
②請求書に記載する売掛金額の残高を会計システムを確認しながら入力しなければならず、時間がかかっていた
③上記の煩雑な作業の為、請求業務が属人化。奥様がほかの業務ができない状況だった。
④取引先ごとの売上高が会計システムに入力しないと状況がわからず、売れ筋商品等もあいまいな状態だった"

新フロー

改善点


①販売管理システムの導入で販売管理に関するデータを一本化。見積書、(注文書、納品書)請求書を作成していた点を複写してくるように改善。業務の変更を行うことで単純に作業量を1/2に
②取引先ごとの売上高の把握が発生主義で即座に分かるようになったことに加え、商品ごとの売上高も確認できるようになった
③週単位での取引先ごとの売上高の把握が可能になった。

工夫した点


①システム上では注文書を出すことができず、受発注管理に関して悩んだが、見積書に押印いただくことで、注文の意思を確認することと商慣習に工夫を加えることで、システムのカスタマイズを最小限にした。"

さいごに

システムいれれば確かにある程度すっきりするんですが、今回の案件に関しては「どんな管理を今後していかないといけない?」「御社の課題は?」という点にフォーカスしたところ、売上高の把握が月末確認で、月次ベースの計画を立てていてもなかなか追えてなかった点が課題である旨を聞くことができ、業務フローと合わせて、どのタイミングでなんのデータを確認するかまで話し合いができた点はよかったと思います。

また、中小企業はどこも陥りがちな「属人化」傾向はなるべく意識して排除しておくことで、戦闘力の分散ができ、本業に力を注げるようになりますので、「標準化」というテーマはとても重要ですね。
(今回で行くと、この運用が軌道に乗れば経理事務所ほかの方に任せ、奥様は別の利益率の高い業務を今後実践されることとなりました。)

来年からはインボイス制度も導入されますので、経理回りの業務フローをどうするかは非常に重要なテーマになりますね。

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