#1745 個人間の競争にしない
授業で挙手指名をしていると、
「あー先に言われたー」
「俺と同じだー」
「パクられたー」
という言葉がつぶやかれる。
これは完全に、話し合いが「個人間の競争」になってしまっている典型である。
「早い者勝ち」「早く言った者勝ち」になってしまっている。
そして、同じ意見をもつ子どもは、それ以上発言しなくなる。
そうやって、「発言力ヒエラルキー」が徐々にできあがり、発言者の固定化につながっていく。
授業の中の話し合いというものは、「個人間の競争」ではない。
みんなで協働しながら、多面的・多角的に話し合い、よりよい納得解を導いていく営みなのである。
なので、「自分が意見を言えればいい」「自分だけが分かればいい」ではダメなのだ。
「みんなで納得していく」「みんなで話を深めていく」「みんなでよりよいゴールに辿り着く」という意識が大切なのである。
よって、
「同じ意見であっても発表させる」
「同じ意見であっても理由を言わせる」
「同じ意見であっても少しの違いを紹介させる」ことが必要となる。
ここに、それぞれの意見の「違い」が生まれてくる。
この「違い」をもとにした練り上げによって、話し合いが活性化し、より深いものになっていくのだ。
同じ意見でもいいから発表する。
同じ意見でもいいから理由を言う。
同じ意見でもいいから少しの違いを紹介する。
こんな姿勢が大切なのであり、これを重視する教師の意識が必要なのである。
肝に銘じておきたい。
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